日経SDGsフォーラム

持続社会 黒子の知見で実現 共創支える印刷テクノロジー

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 あらゆるものがつながり合うデジタル革命とSDGsの時代。限られた資源を有効に活用して無駄をなくし、産地から消費まで継ぎ目のない柔軟なサプライチェーンの構築が求められる。それは働き手にも恩恵を与え、生活者には豊かさをもたらすだろう。そんな持続的な社会の実現に黒子の知見が今、注目を集める。文字、文明、文化を等しく広めてきた技術が過去と現在を守りながら未来を作る。

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日常の一場面に地球への優しさ

 黒子の主は凸版印刷。同社の活躍の場所は生活を彩る印刷技術だけにとどまらない。祖業の印刷などで長年、築き上げてきた約2万社(団体)という幅広い顧客のニーズに対応し、価値創造につながる提案をすることで、顧客が抱える課題の解決へと導く。企業が向き合う喫緊の課題の多くがSDGsと密接に関連していて、凸版の技術がそれを支え、共創を生み出していく。

 例えばフードロスの問題。環境に優しく、鮮度を保つ包装パッケージの開発によって消費・賞味期限が長くなり、売れ残りが少なくなる。生産から流通までの要所要所のデータを蓄積して一気通貫につなげると消費量の予測も容易になる。最適な生産、流通の仕組みができ、効率的な在庫管理は資材やエネルギー消費の低減にもつながる。

 プラスチックに印刷や成型されていたモノを遜色なく表現できる紙に変えたら海洋プラスチックごみ問題解決の一助にもなろう。経済的に付加価値をつけ、地球環境に優しい技術を吹き込む。

 人や社会に伝える力を持つ文字。長年にわたり、その文字を印刷したり、蓄積したりすることでマーケティングの地力をつけた。その学問の父、フィリップ・コトラー氏はマーケティングを「人や社会をよりよき方向に動かすもの」と定義する。SDGsに欠かせない要素が凸版のDNAなのだ。そこに先進的なIT(情報技術)、クリエーティブや加工技術などが組み合わさって、さらに社会課題の解決に弾みをつける。凸版では印刷テクノロジーと呼んでいる。

 社会や企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)と真剣に向き合う中、凸版の持つ技術的な裏打ちのある提案やソリューションは社会的負荷を軽減する力を持つに違いない。

 私たちが手にしたり、使ったり、感動したりするその瞬間に凸版の技術が生かされている。気がつけばそこに凸版、知らぬ間にSDGs。知られざるSDGs企業として地球社会を見守ってくれている。(編集委員 田中陽)

価値創造、顧客の期待を超えてこそ――

 1900年に大蔵省(現財務省)の技師がベンチャーとして当時の最先端印刷技術「エルヘート凸版法」を生かすために立ち上げたのが凸版印刷の始まりです。文明、文化、知識を等しく伝え、教育や伝承にも貢献することを旨としました。創業以来、「社会的価値創造企業」として持続的な社会を目指しており、その考えをもっと加速するために昨年11月、SDGsの考えを経営に組み込むための「TOPPAN SDGs STATEMENT」を策定したばかりです。
 凸版の強みは技術・ノウハウを結集した5つの事業系(創造コミュニケーション系、情報マネジネント系、生活・産業資材系、機能性材料系、電子デバイス系)を軸に、市場や顧客に向けて4つの成長領域(健康・ライフサイエンス、教育・文化交流、都市空間・モビリティー、エネルギー・食料資源)で貢献していきます。
 この幅広い事業領域、顧客基盤、技術をサプライチェーンなどでつなげることによって未来に向けた新たな価値を創り出します。それが私たちの描く「ふれあい豊かでサステナブルなくらし」を担保することになるでしょう。
 未来だけでなく歴史もつないでいきます。2016年に起きた熊本地震で倒壊した熊本城の復興では、約3万個の築石を積み直すのに、凸版の倒壊前のデジタルアーカイブデータが生かされています。
 顧客の期待を超えてこそ、価値創造となるのです。そしてSDGsに貢献できる独自の技術、ソリューションを海外市場へも広げていきます。紙の印刷にとどまらない、黒子としての私たちは地球社会に寄り添い、お客様とともに世界を変えていければと思います。

キーワード:経営・企画、経営層、管理職、経営、営業、技術、製造、プレーヤー、経営、CSR、CSV、ESG、環境問題、SDGs

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