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新型コロナ 流行早期に事業継続計画見直しを 経営層のための新型コロナ対策(2) 健康企業代表・医師 亀田高志

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 専門家の見解を参考に今後、新型コロナによる患者数が約1週間で2倍に増えると想定してみる。非常に大まかであるが、本稿執筆中に確認した3月7日夜のデータで患者367例、無症状病原体保有者41例である。

 1週間ごとに遡ってみると、3月1日では約半分の217例の患者、22例の無症状病原体保有者、2月23日にはさらに半分の患者113 名、無症状病原体保有者16 名、陽性確定3名、2月16日が患者等で47名と厚生労働省のウェブページで公表されている。

患者数が1週間で倍増していけば…

 このまま倍々ゲームで増加すると、これから11週ないし12週間後、つまり5月下旬には100万人に到達する勘定になる。これはあくまで仮定の上で話しであり、1つのシナリオにすぎない。加えて、新興感染症の広がりには時間的・空間的濃淡を考えなければならない。地域によって、より早い時期に爆発的な流行が起きる恐れもある。

 感染症を制圧しようと発展してきた医学分野には大きく分けて3つあり、1つは人間にとってミクロの世界である細胞や遺伝子を研究する基礎医学、もう1つが病気や診断、治療を研究開発する臨床医学である。そして、3つ目がたくさんの人たちの健康問題の傾向と対策を検討する社会医学と呼ばれる分野である。

 医療職ではない、企業幹部や管理職として考えなければならないのは、この社会医学的な視点から見た従業員と部下の数であり、その影響である。また、消費者向けのビジネスを展開しているのであれば、顧客の人数規模を考えることも必要である。

 新型コロナそのもののデータはこれから明らかになってくると考えるが、参考となる情報として、2009年の新型インフルエンザが流行した折の英国において、ピーク時の数週間には従業員の12%が病気等で欠勤するとの推定が行われている。(資料出所:Swine Flu UK Planning Assumptions, Department of Health, UK, issued 16 July 2009より邦訳改変)

 それに準じて仮定として新型コロナに従業員の1%が感染し、その家族が感染し、あるいは濃厚接触者となる可能性を考えると、従業員の5%が5月前後の数週間に出社できない、というシナリオがありうる。

 2009年の新型インフルエンザ流行の折よりも複雑なのは、医療機関での外来での検査が新型コロナでは簡単には実施できないことである。さらには特効薬もなく、予防接種もない。従って、発病した人は回復後に、濃厚接触者となった人も一定期間は自宅待機となるだろう。

 つまり、これから従業員のうちのかなりの人数と期間、出勤できないという経営と事業運営上の危機が迫っているかもしれないのである。

最適化のみ追求のツケ?

 7月からの東京オリンピック、パラリンピックに対する新型コロナウイルスの影響が心配されている。もともと海外から持ち込まれる様々な感染症とその影響に対して懸念を専門家が表明していた。

 温暖な気候であった日本がここ数年に増して更なる猛暑、あるいは熱波に見舞われると、東南アジアのような亜熱帯・熱帯地域で流行している感染症が日本でも流行するのではないかと考える専門家もいる。

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