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日本企業が知らないプラットフォーム「べからず」3条 日本型プラットフォームを創る(4)

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コニカミノルタ、トヨタはハイブリッド型プラットフォーム

 外部活用を有効的に展開しているのがコニカミノルタやトヨタだ。コニカミノルタの「ワークプレイス・ハブ」は、自社プラットフォームのほかに独シーメンスやトルンプ社のプラットフォームとも接続できるようにして、自社複合機の価値向上を図っている。小宮氏は「コニカミノルタや、ライドシェア企業へのシステム供給を通じて車両利用データを自社にフィードバックさせるトヨタは、ハイブリッド型プラットフォーム」と位置づける。

 ケース3:国際的な総合電機大手C社は、早い段階からプラットフォームビジネス参入をもくろんできた。現場から提案をあげていき、最後は社内の決裁基準で判断する。しかし「3年でコスト回収できない」との理由で却下された。数年後の再チャレンジではOK。それでも、できあがったプラットフォームは「何でもそろっているが複雑で使い勝手がよくない」とユーザー企業からの評価は厳しい。

欠かせないトップダウンの決断

 「ボトムアップ提案」こそは、日本メーカーの生命線だ。現場から上がってくるアイデアが生産をカイゼンし、経営を高度化してきた。しかし小宮氏は「プラットフォームビジネスにおいては現場や事業、ITチームとともに、経営者のトップダウンでの関わりが重要だ」と言い切る

 プラットフォームビジネスは、Jカーブ型のモデルといわれる。ユーザーやデータ蓄積など数年間の投資フェーズを経過してから一気に収益化する。「黒字化までの一定期間を、経営者が自社のビジネスモデル変革に向けた取り組みとして直接判断すべきだ」と小宮氏。日本の場合、IT技術は分からないと言ってIT部門や事業部にトップが丸投げして、結局数年で撤退するケースが多いという。

 加えてプラットフォームの収益構造は、異なる事業部のサービスで総合的に回収する複雑な仕組みとなることも多い。実際にC社ではプラットフォーム担当部門と、プラットフォームを通じた別の製品・サービスで収益を上げる部署が違っていたため、営業現場でのインセンティブ(動機づけ)が上がらないこともあったという。小宮氏は「組織へのKPI(成果評価)も人事評価もトップが関与して組み替える必要がある」と念を押す。

 あるプラットフォーム企業は、新規ビジネスの評価にベンチャー企業への投資と同じ手法を採用しているという。短期的な収益が期待できるかどうかではなく、長期的なインパクトや企業変化の進捗などを各ステージで数値化しているという。

 「プラットフォーム企業の本質はビジネスモデルの構築とパートナ-企業の選択。非IT企業であっても、技術のハードルを感じてためらうことはもったいない」と小宮氏は説く。

(松本治人)

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