サラリーマン人生100本ノック

サラリーマン人生「転職すると給与が下がるのは当たり前ですか」 東京工業大学大学院特任教授 北澤 孝太郎

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 あなたは、転職で新たな環境を求める意味を理解しているでしょうか?この連載では書籍『サラリーマン人生100本ノック』をもとに、サラリーマン人生の大きな転機となる転職について解説します。

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転職すると給与が下がるのは当たり前ですか

 そんなことはありません。自分ができること、やってきたスキルの価値が、現在の会社の給与より転職市場で高ければ給与は必然的に上がると考えるのが普通です。ただ、企業の成長ステージによっては違います。例えばベンチャー企業は、これから伸びる企業ですから、今お金がありません。給与が下がると考えるのが普通です。しかし、ベンチャー企業の場合には、通常の企業にない多くを任せてもらえたり、今までにない新しい価値をつくる経験ができるなどの魅力があります。ここで得た経験を将来のキャリアに活かしたいという戦略的な考えをお持ちならば、給与のダウンはさほど気にならないのではないでしょうか。

転職にはリスクもあることを覚悟する

 ここであなたに質問です。あなたの転職の目的は、自分の給与を上げることでしょうか。「人間関係に悩んでしまって。もうここでは働けません」という方や、「一つの商材ばかりを売らされるので、正直飽きてしまいました。自分のキャリアを考えても転職して可能性を広げたいです」というように、その理由が給与でないという方もおられるでしょう。

 最も大切なことは、転職することによってその転職の理由は解決できるかもしれないが、そうでないかもしれない、ひょっとしたらそれを上回る悪いことが起こるかもしれないというリスクに向き合うことです。給与が上がるということは、それなりの責任が増えるということです。当然、結果に対する風当たりも強くなることが予想されます。人間関係を気にする場合も、転職先にはもっと嫌な上司や同僚が待ち受けているかもしれません。キャリアを広げたいという希望があっても、ころころ部署を変えられたり、地方に異動になるかもしれないという危険性がはらみます。それでも、このままよりはいいと覚悟を決められるかどうか、後悔しないかどうか、まずそこを確認しましょう。

 その覚悟ができたら、今度は、あなたはなぜ転職したいのか、その理由を明らかにし、その理由には他人から見たときに正当な理由になるのかを考えましょう。

 転職先の企業は、あなたのスキルや人間性を判断すると同時に、あなたが転職する理由に合理性があるかどうかを見ます。それは、あなたが採用するにあたり信頼できる人なのかどうかを二つの側面から見るということです。

 信頼性は、有用性と一貫性から判断されます。有用性とは、あなたが、その職場で働くときに、十分なパフォーマンスを発揮してくれるかということです。職務経歴書審査や面接のときに、いろんな角度からあなたのスキルや人間性を掘り下げて確認されます。

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