EQトレーニング

教育界が注目する非認知能力「EQ」は試験の成績も左右 EQ 取締役会長 高山 直

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 外的な行動にもEQは関係していたそうです。EQを学んだ子は、社会的なふるまいやしつけの面で向上が見られ、友だちとの喧嘩などのトラブルに巻き込まれる割合が少なくなり、家族との関係性も良好になり、その分学習時間を確保できるというのです。

 わたし自身も、EQとしつけには深い関係があると思っています。EQが高まるとしつけが整い、挨拶やお礼の言葉「ありがとう」が自然に出るようになります。開けたら閉める、落ちたら拾う、点けたら消すという当たり前のことが当たり前にできるようになると、周囲からかわいがられ、かわいがられると周囲からの支援も受けやすくなり、病気で学校を休んでも、友だちのサポートが受けられ学業の遅れが少ないそうです。

感情回路を麻痺させている大人

 子どもたちの非認知能力、笑い、読解力について書いてきました。では大人たちはどうなのでしょうか。ちょうど良い例が「チコちゃんに叱られる」というNHKの人気番組で紹介されていました。「なぜ大人の時間は早く過ぎるのか」というテーマです。

 番組では大人の代表としてタレントの岡村隆史さんが、子どもの代表として小学生が登場していました。小学生と岡村さんには「日曜日に何をしましたか」というような質問が出され、小学生はたくさんのことをしたと答えていました。いっぽうの岡村さんは家でボーッと過ごしていただけ。

 岡村さんだけでなく、多くの大人がそういう毎日を送っています。大人は経験を積んでいくので、成長するにしたがって新しいことに遭遇することが少なくなります。毎日起こることは子どもも大人も同じですが、子どもは、お母さんがウィンナーをタコの形に切ってあげると喜び、大人は「今日のおかずはウィンナーか」と考えるだけ。そこが子どもと大人の違いです。

 経験を積んだ大人は毎日起こるイベントを経験によって無意識に処理し、子どもは新しい体験として学習しています。

 大人はこころの感度を鈍らせて、感情を半ば麻痺させています。そうすると怒りや不安などを感じないので省エネです。省エネだけれど、惰性で処理していると、こころの感度がますます鈍っていくことを知っておいてください。

(つづく)

高山直 著 『EQトレーニング』(日本経済新聞出版社、2019年)、第2章 「EQの発展と今」から
高山 直(たかやま・なお)
(株)EQ 取締役会長。1957 年広島県生まれ。1997年、(株)イー・キュー・ジャパンを設立し、日本で初のEQ 事業をスタートさせる。2015 年より現職。主な著書に『EQ こころの鍛え方』『EQ 「感じる力」の磨き方』(以上、東洋経済新報社)などがある。
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キーワード:経営・企画、人事・経理、営業、技術、製造、経営層、管理職、プレーヤー、人事、人材、研修

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