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参入困難・巨額投資は本当?プラットフォームに3つの誤解 日本型プラットフォームを創る(1)

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■日本が目指す棲み分け可能なプラットフォーム

 プラットフォーム時代は競争激化の反面、企業が単独での投資やグローバル展開の限界を超えて新たな活路を見出す可能性も大きい。UHA味覚糖(大阪市)はアリババのLST(日用消費財と小売店をつなぐBtoBプラットフォーム)を採用して中国のローカル地域にまで配荷店舗を拡大し、前年比で中国市場での売り上げを5倍伸ばしたという。小売店も従来の約1000店舗から4倍に増加し、今後は13000店まで視野に入れているという

 莫大な資金調達力とスピードが特徴の米国型や広大な自国市場を背景にした中国型、データ規制が緩く現地に根付いたローカライズ展開の新興国型と、3つのタイプのプラットフォーマーと比べて、日本型の選択肢はそう多くはなさそうだ。(1)国内だけでは市場が限定的(2)グローバルスケールで米中に後れを取る(3)ライドシェア産業のの苦戦など各種の規制や商習慣なのど障壁が多いーーといった弱点を抱えている。

 小宮氏は3つのポイントを指摘する。第1がグローバルスケールで効率性を徹底追求する、巨大なプラットフォーマーではコスト面などで対応仕切れないニーズに対応することだ。小宮氏は「プラットフォーム業界の多層化に対応し、特定業界、特定顧客のニーズに寄り添った展開を目指すことで棲み分けが可能だ」としている。

 第2は現在進行形で拡大している巨大プラットフォーマーが、ますます多くの連携企業を必要としている点だという。エアビーアンドビーは日本で「エアビーアンドビー・パートナーズ」を立ち上げている。宿泊者や宿泊場所を提供するホストらに関心が集まりがちだが、他方民泊ビジネスを支える保険会社、家具メーカー、旅行業界などにも新たなビジネスチャンスが生まれている。ファミリーマートは宿泊を利用するユーザーに鍵の受け渡し場所になることで、店舗への集客能力を高めるという関係を構築している。

 最後に「プラットフォームビジネスの技術自体のハードルが下がってきている」と小宮氏は言い切る。これまでは日本にITリソースや人材は不足気味だった。しかし現在ではプラットフォーム関連の機能を提供する企業が加速度的に増えている。「現在は、どのような提供価値を、誰と実現するかというビジネスモデルやビジョンが改めて重要になっている」と小宮氏は結論している。

(松本治人)

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