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参入困難・巨額投資は本当?プラットフォームに3つの誤解 日本型プラットフォームを創る(1)

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■「GAFAが押さえている領域はまだ5割」

 今日では顧客との接点はプラットフォーマーが握っている。顧客にとって価値ある製品をプラットフォーム上で、エコシステムを構成する各企業と連携しながら提供する「バリュー・プラットフォーム・シナジーのVPSが企業の競争力を決める」と小宮氏は言い切る。

 古い社歴を持つ非IT企業がプラットフォームビジネスに進出したケースが、コマツの建設業プラットフォーム「LANDLOG」だ。自社建機に搭載したセンサーを通じて集めるデータに限らず、調査、測量、設計、施工、メンテナンスなどの情報を提供する。キャタピラーや日立建機などの競合企業も含めたデータの接続・活用も図っている。それを土台に、建設業界の課題を解決するためのアプリケーションを提供する仕組みだ。

 「LANDLOGの特徴はIT企業との合弁会社の形態を取るオープンイノベーションであること」と小宮氏。NTTドコモが無線通信を、独SAPがデザインシンキングの方法などを持ち寄って構成している。コマツは建設業界におけるさまざまなノウハウや強みを基盤に、米巨大ITのすき間を突く形で業界のプラットフォームを構築している。

 小宮氏は「GAFAが押さえている領域はグローバル市場全体の5割程度だろう」と分析する。コマツのようにニッチなプラットフォームを展開する余地はまだまだ多いとみる。

 クックパッドの「OiCy」も、そのひとつ。パナソニック、日立などの家電メーカーやリクシルなどのキッチンメーカーと連携し、世界の約80国・地域からクックパッドへ投稿し蓄積したデータを駆使して、次世代キッチンの国際標準づくりを目指す。これまで技術力で勝っているものの、国際標準を奪われた日本企業のケースを反面教師としているわけだ。「OiCy」は自動調味料サーバーの設計情報を公開している。「コア技術をオープンにすることで次世代キッチン研究の仲間作りを進めている」(小宮氏)。

 プラットフォーマーになることだけが、企業の成長を維持する唯一の方策ではないという。「巨大プラットフォーマーと競うのではなく、販売ルートなどとして活用する連携戦略も有効だ」と小宮氏は説く。資生堂は中国のアリババグループにEC(電子取引)出店する一方、新製品の共同開発にも乗り出した。狙いはアリババがアジア地域に持つ顧客層の膨大なデータだ。小宮氏は「グローバル展開では各国の消費者ニーズが異なるため、プラットフォームの購買データを使った多面的な分析が欠かせない」と指摘する。

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