長島聡の「和ノベーションで行こう!」

100年後見据えた地球環境づくりを本気で考え、MaaSに取り組む 第33回 MIRAI-LABO 平塚利男・代表取締役に聞く

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 日本型のイノベーション=「和ノベーション」を実現するには何が必要か――。ドイツ系戦略コンサルティングファーム、ローランド・ベルガーの長島聡社長が、圧倒的な熱量で未来に挑む担い手たちを紹介します。今回のゲストは、CO2削減など100年後の未来を見据えた地球環境づくりに貢献する製品・技術の開発に取り組むMIRAI-LABO 代表取締役の平塚利男氏です。

CO2削減システムなど地球環境づくりのための製品・技術を開発

長島 最初の出会いは、自動車メーカーの方の紹介でした。「面白い会社だから行ってみたら」と言われたのですが、何の会社かを教えてくれません。ホームページを見たところ、「二酸化炭素(CO2)削減に関するシステム」「新エネルギー」「循環型環境浄化システム」などの新技術の研究・開発、コンサルティングを手掛けていると知ったのですが、製品・技術の詳しい情報がありませんでした。

平塚 弊社のホームページに製品・技術の情報が少ないのは、多くの開発案件が秘密保持契約(NDA)ベースのためです。自社製品化した段階で公表していますが、オープンにできない情報が数多くあります。

長島 しかし、実際に御社へうかがって驚きました。想像以上にさまざまな製品・技術を開発されており、説明を聞いているうちにすぐ時間がたちました。私も調子に乗ってしまい、昨年の東京モーターショーで弊社が発表した電気自動車(EV)「バトラー・カー」への技術協力をお願いしたことを思い出します。使用中にバッテリーを抜き差ししても電力が途切れない電源装置「G-CROSS(ジークロス)」を活用させていただきました。

平塚 あのご依頼には感謝しています。弊社も多数の展示会に出展していますが、まさか東京モーターショーのような大きなイベントに出展できるとは思いませんでした。

長島 我々のようなコンサルティング会社がバトラー・カーのような独自EVの開発に取り組んだのは、次世代の移動サービス「MaaS(マース)」に本気で取り組みたいと思っているためです。MaaSは自動車産業を変えるだけでなく、社会課題を解決する手段としても注目しています。

平塚 MaaSは、比較的新しいキーワードですが、CO2の削減なども期待されており、起業したときから目指してきた「環境主義」「サステナビリティー(持続可能性)向上」の考え方にも沿うため、弊社も力を入れています。世界中で、地球環境やサステナビリティーに対する意識が高まっているのはうれしい限りです。

環境問題の解決を目指して22年間務めた会社から独立

長島 まず会社を設立された経緯についてうかがえますか?ホタルの自生環境を再生する事業へ取り組むために設立されたと聞きましたが、その会社が今、省エネ型LED照明から太陽光発電舗装などの幅広い製品・技術を開発するなど、MaaS関連の事業を展開されています。興味深いところです。

平塚 同じようなことをどこでも尋ねられます(笑)。

 私は、高校を卒業したあと、NTTグループで通信設備の施工管理やエンジニアリングを行う中小企業に就職しました。まだNTTが「電電公社」という名前だったころで、その会社で22年間、サラリーマンとして働いていました。ここでアナログとデジタル両方の通信技術について深く学び、幅広い仕事をしてきたことが今の私の根幹を作ったと言えます。

 就職した会社は、友人のお父さんが経営していたため、アルバイトをしたことがありました。それで高校を卒業するとき、誘われたのです。大学への進学は考えていませんでした。中学生のころに音楽に夢中になり、高校生のときには、スタジオミュージシャンとしてかなりのアルバイト収入があり、卒業したら音楽で食べていくと本気で考えていたのです。当然、その就職のお誘いも一度はお断りしたのですが、「音楽活動をしながら働けばよい」と言っていただき、入社を決めました。

 そしてしばらくの間、音楽活動と通信エンジニアとしての二足のわらじを履いて仕事をしたのですが、通信の仕事が予想以上に面白くなりました。会社が専門学校に通わせてくれ、専門知識が深まったことや、電話がミキサーなどと同じ音声を扱う技術だったため、ミュージシャンとしても関心があったことが理由です。それでも音楽活動は続けていましたが、とうとう決断のときがきました。20歳で妻と知り合って結婚するとき、相手のご両親に自分の仕事を聞かれて「電電公社関係」と言い切ったことで心が決まりました。

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