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アフリカの衛生向上、ビジネスで挑む 途上国支援の夢追求 サラヤ海外事業本部課長補佐・森窓可氏に聞く

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 私自身も途上国の支援という仕事が夢でしたから、JICAの進路支援のカウンセラーの方に相談したところ、やはり協力隊員を経験し、国際連合児童基金(UNICEF)でも活躍された方が、「次の国際協力分野のプレーヤーは企業。ビジネスとして社会課題に取り組むことが面白い」と民間企業を強力に勧めてきました。皆が憧れる国連での勤務経験がある人でさえ、ビジネスが面白いと言うのです。とても尊敬している方だったので、その意見を信じてみることにしました。そして挙がってきた候補の1社がサラヤだったのです。冒頭でお話ししたように、サラヤでは新しくBOPの部署を立ち上げるところでした。

―― 青年海外協力隊としてのネパールでのボランティア活動、アウトドアメーカーでのビジネス経験、JICAでの勤務経験のすべてが評価されたのですね。

 そうだと思います。途上国での活動では、現地のマーケットの状況を直接知って、課題を吸い上げてきました。サラヤが現在、取り組んでいるものもその手法は同じです。そういったところをを期待してくださったのかなと思いました。実際、途上国でビジネスに取り組もうとする企業さんは最近増えていますが、なかなか実行するのは難しいようで、そういう企業さんの集まりで私の経験をお話しさせていただくことが多いです。

―― 現在はアフリカで具体的にどんなプロジェクトに取り組まれているのですか。実際やってみてどうでしょう。新しい発見もありましたか。

 基本は、ウガンダとケニアにおける拠点運営管理です。ウガンダやケニアで受託している経済産業省と農林水産省、そしてJICAの案件について統括するのが、私の主な業務です。

 先日もあるセミナーでお話しさせていただいたとき、アフリカを担当して良かったことについて質問を受けました。答えは、アフリカにはまだまだ解決すべき課題がたくさんあるエリアであることが分かったこと、そして、それにはサラヤが持っている商品やサービスが大変役に立つということです。もちろん、アフリカはそういうところだけに、サラヤだけでなくほかの企業さんでも自分たちが持つスキルで解決できる課題があるということをお伝えしました。

 加えて、ウガンダもケニアもそうなんですが、現地のスタッフたちがサラヤのビジネスについて、自分たちがしっかりとプライドを持って取り組んでくれているということです。現地で感染症対策にとても有効であるアルコール消毒剤をお客さんに売って、そのお客さんが満足されるのを見て、スタッフたちがやりがいを感じてくれている様子を見て、本当にうれしく思いました。

 私はどうしても最初にボランティアを経験したネパールと比較してしまうのですが、今のウガンダやケニアでは、現地スタッフがお金以外にやりがいを持って仕事をしていることに、驚かされます。ネパールでの小学校の教師の給与は6000円程度ととても貧しく、モチベーションが低い人が少なくなかったのです。そこで現地の教師に指導する立場で、子供たちの成長に貢献できるという教師の仕事にやりがいを見いだしてほしいと心を砕きました。その結果、賛同してくれる教師が増え、それまで使いづらかった点を改善した新たな教材を、一緒に作ったのです。

 こうして新しい指導法や教材を活用することで、子どもの学びへの姿勢に変化が生まれました。それをやりがいとして感じてくれた教師がいたことは、私にとって宝の経験です。

 ウガンダ・ケニアのスタッフがビジネスを意欲的に広げていることはとても頼もしく感じます。特にウガンダでは、現地スタッフたちがサラヤの商品があそこにあった、ここにもあったといって、自分で写真を撮って見せてくれるのです。そして、売り上げもこれだけ上がりましたとうれしそうに報告してくれます。

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