東京証券取引所のシステム障害 東京証券取引所の株式売買システムの障害により、05年11月1日午前中の取引が全面停止した。追うように、同年12月8日に発生したみずほ証券誤発注事件では、問題の直接原因が東証システムのバグにもあったことが判明し、 当時の東証社長、専務、売買システム担当が辞任した。
東証は06年1月にも全銘柄の売買を一時停止し、12年2月も一部銘柄の取引が止まった。18年10月9日の取引では、約40社の証券会社を経由した売買注文が一時執行できない状態に陥った。
東証は06年1月にも全銘柄の売買を一時停止し、12年2月も一部銘柄の取引が止まった。18年10月9日の取引では、約40社の証券会社を経由した売買注文が一時執行できない状態に陥った。
05年11月の障害について飯野氏は「10月にシステムの処理能力をおよそ20%強化した際、直接関係のない部分もついでにバグ修正したのだが、 その修正を本機に搭載した際に手順の指示漏れがあった」と話す。誤発注の発端はみずほ証券の担当者が「1株で61万円の売り」とするところを「1円で61万株の売り」と間違って入力し注文したことがきっかけ。誤発注に気づいた担当者らは直ちに取消し作業を行ったものの、東証のシステム上の不具合により取消すことができなかった。
06年1月はライブドア事件を受けて同社や関連会社、IT企業株に売り注文が殺到し、システム処理能力の上限に達する危険があり、東証が自らの判断で全銘柄の売買を停止した。18年10月のケースは、異常値の売買注文を受け付けないといった東証のシステムに対し、注文の手前の段階で問題が起きた。
東日本大震災の義援金口座トラブル 11年3月15日、みずほ銀行でシステムトラブルが続いた。義援金を受け付ける口座における設定ミス。振り込み件数の上限を大きく設定していなかった口座に、上限を超える振り込みがあったことを発端だった。ピーク時には約116万件(約8200億円)の未処理取引が発生したとされる。
きらぼし銀のシステム障害 18年5月1日、3行の統合初日のオープニングセレモニーを終えた直後からシステム障害の報告が続々と舞い込んだ。データ移行の作業漏れ、勘定系システムに関する認識不足、追加したプログラムのテスト抜けに起因する3つの障害が、統合初日に相次ぎ発生した。
飯野氏は「システム上のリスクが多方面で潜んでいることを常に意識して、現場・現物の感覚を常に持ちながらやらないと大きな誤りを犯す」と注意を喚起している。
■不良や不足を放置すれば次のミスの原因に
他方、「失敗」は複数の要因が絡み合って生じることがほとんどだ。飯野氏は失敗の原因を大きく分けて「計画不良」「学習不足」「伝達不良」「注意不足」「自然」に分類できるという。このうち「計画」「伝達」が絡んだケースが「リクナビ」問題だと指摘する。