泉田良輔の「新・産業鳥瞰図」

ヤフーとLINEの経営統合、成功のカギ握るフィンテック事業 テクノロジーアナリスト/GFリサーチ 代表 泉田良輔

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 国内最大級のインターネットポータルサイトを運営するヤフーを傘下に持つZホールディングス(ZHD)と、コミュニケーションアプリ大手のLINEは2019年12月23日、経営統合について最終合意したと発表した。LINEに対して実施するTOB(株式公開買い付け)価格が決まり、2020年10月を目標に進める統合のプロセスが一段進んだ形だ。

 日本経済新聞による11月13日の統合に関する報道は、株式市場関係者だけではなく、幅広いネット業界の関係者を驚かせた。それぞれ日本を代表するネット企業であり、「PayPay」「LINE Pay」といったスマホ決済サービスのように競合するフィンテック事業もある。

 そこで今回は、両社の経営統合が今後どのような展開をしていくのか、どのような姿が統合の成功といえるのかなどについて、これまで発表された内容をもとに考えてみたい。

ソフトバンクとネイバーが対等に経営する新ストラクチャーを構築

 まず、今回の統合が目指す新ストラクチャーを整理しよう。全般に「対等経営統合」がうたわれており、ヤフーの親会社ZHDを傘下に持つ「ソフトバンク」と、LINEを傘下に持つ韓国「ネイバー(NAVER)」の議決権が半々になる持ち株会社「JV(仮称、非上場化したLINE)」を通して、グループ事業統括会社のZHDを経営していく。

 LINEは現時点で上場しており、統合を発表した11月18日の時点ではネイバーが株式の72.6%を、残りを少数株主が持つ。ソフトバンクとネイバーがこの少数株主分に対して共同で公開買い付け(TOB)を行い、スクイーズアウトなども含めてLINEを非上場化する。

 次に、この非上場化したLINEに、ソフトバンクが保有するZHDの株式を全部移管するとともに、ZHDの自己株式を交付。併せて、この非上場化したLINEの議決権割合がソフトバンクとネイバーで半々になる取引(ジョイントベンチャー:JV化取引)を行う。

 さらに、非上場化したLINEは、LINEの全事業を継承する完全子会社「LINE承継会社(会社名はLINE)」を設立。ZHDは、そのLINE承継会社について新たに株式を発行し、その株式交換によって傘下に収める。

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