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回復?低迷? どうなる2020日韓ビジネス 大東文化大・高安雄一教授&明海大・小谷哲男准教授に聞く

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 安倍晋三首相は、中国・成都で韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談した。日韓首脳会談は15カ月ぶりだが、元徴用工問題など懸案事項に具体的な進展はなかった。他方、大東文化大の高安雄一教授は、韓国側の日本製品不買運動などで経済関係は悪化しているものの「グローバル経済下における不買運動は、マクロ的な影響を与えない」と分析している。さらに非核化交渉で米国に譲歩を求める北朝鮮の強硬姿勢について明海大の小谷哲男准教授は「米朝交渉プロセスは企業のビジネス活動にも大きな影響を与える」と指摘する。2氏へのインタビューから2020年の日韓ビジネスの行方を占った。

不買運動 個人の満足にすぎずマクロに影響せず――――高安雄一・大東文化大教授

 ――日韓対立の長期化が、両国の企業や市民に暗い影を落としています。10月のビールの対韓輸出はゼロになりました。一時の勢いは衰えたとはいえ、不買運動は続いています。

 「韓国内での日本製品に対する不買運動は以前も起きましたが、いずれも短期間に収束しました。今回はネットでの呼びかけなどで同調圧力が高まり長期化しています」

 「ビールに関していえば日本は壊滅的な影響を受けました。しかし日本の韓国向け輸出全体に占めるビールの割合は18年で0.14%です。日本経済全体への影響は微細とみて良いでしょう」

 ――観光面での影響はどう分析しますか。韓国からの訪日客数は7月に前年同月比で7.6%減、8月は48.0%減、9月は58.1%減です

 「結論から言うと、韓国からの訪日客の減少がGDPの増減に対し与えた影響はマイナス0.1%にも達しません。その影響はサービス収支の減少率の3分の1程度です。インバウンドは重要ですが、個人消費では日本に居住者によるものが大半を占めます」

■貿易の中心は素材・部品

 ――韓国経済に対する日本の存在感の減少が不買運動につながっているとの声もあります。

 「韓国の総輸出額に対する日本向け割合は1990年の19.4%から昨年は5.0%、日本からの輸入は26.8%から10.2%に減りました。しかしながら、韓国の対貿易赤字幅の一番大きい国は日本で、続いて産油国のサウジアラビア、カタールの順です。2004年以降の日本に対する貿易赤字のうち、約69%が素材・部品です」

 「東アジア域内は国際的な生産分業で強く結びついており、特に中間財のシェアが大きいのが特徴です。最終財についても、消費財より資本財の貿易額の方が上回ると指摘されています。政治的に2国間関係が悪化しても、構造的に不買運動の影響は受けにくくなっています」

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