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学生対応、温かな若手社員に/フィードバックで関心 特別セミナー「採用力が企業の将来をつくる」回答編

ビジネスリサーチラボ代表 伊達洋駆

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<候補者の見極め>「立ち止まって」判断、バイアス最少に

Q 適性検査を利用する企業が増えているように感じます。採用活動の中で、適性検査をどのように活用するのが望ましいでしょうか?(その他製造)

 適性検査は、求職者の性格や能力を客観的に見極めることのできるツールです。しかし、残念ながら、全ての適性検査が高品質であるとは言えない現状があります。

 そこで、それぞれの適性検査が基本的な品質水準を満たしているかを確認することが求められます。確認方法の一つとして、検査開発プロセスにおいて「信頼性」や「妥当性」がどのように検証されているかを調べたり尋ねたりすることが挙げられます。

 オーダーメードではなくパッケージで提供されている適性検査においては、求職者に関する様々な要素が定量的に示されるため、自社がチェックすべき要素はどこかを特定する必要があります。しかし、そのことを感覚的に行うと、せっかくの客観的なツールも台無しです。

 入社後の定着・活躍状況と適性検査のデータを照合し、自社においてはどの要素が特に重要かを分析した上で、適性検査を活用するようにしましょう。

Q インターンや面接以外の見極め手段として、どのような方法があり得るものでしょうか?(自動車、輸送機器)

 インターンや面接を見極め手段とみなした場合、それらに共通するのは、「企業が」求職者の性格・能力・期待などを評価しているという点です。

 これとは異なる観点を持つ見極め手段を一つ紹介しましょう。「自己選抜」(セルフスクリーニング)と呼ばれる方法です。自己選抜とは、「この会社は自分に合っている/いない」と、「求職者自身に」判断してもらうものです。

 例えば、採用活動において企業は自社の「ポジティブ」な面を求職者に提示しがちですが、あえて「ネガティブ」な面も見せることによって、求職者の自己選抜を作動させられます。

 自己選抜は求職者が自ら行うものです。そのため、企業側の工数が抑えられるという長所があります。自社に合っていない層に選考への参加を遠慮してもらえれば、自社に合った人材が高い割合で含まれる、良質な候補者群を形成できます。

Q 短期間の採用活動で自社に合った人材を選ぶためには、どうすれば良いでしょうか?(情報処理、SI、ソフトウェア)

 人が人を選ぶ際には、多種多様なバイアスが作動します。例えば、第一印象が面接評価と相関したり、社交的な人が高い評価を受けたりするなどのバイアスが挙げられます。

 自社に合った人材を適切に見極めるためには、こうしたバイアスの緩和が必要です。ところが、「こんなバイアスがありますよ」と教育を受けても、バイアスはあまり防げないことが明らかになっています。

 バイアスは半ば自動的に作動するため、即座に判断を下さずに、一旦立ち止まって慎重に判断することができるかどうかが鍵となります。

 例えば、ある人を見極める際に他の人と比較したり、「逆に、この人を不合格にするとすれば、どのような理由があり得るか」と、あえて自分が下そうとしている判断とは反対の立場になってみたりするなどの方法が有効です。

伊達洋駆氏(だて・ようく) 株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役
神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程修了、修士(経営学)。2009年にLLPビジネスリサーチラボ、11年に株式会社ビジネスリサーチラボを創業。以降、HR領域を中心に調査・コンサルティング事業を展開し、研究知と実践知の両方を活用したサービス「アカデミックリサーチ」を提供。13年から採用学研究所の所長、17年から日本採用力検定協会の理事を務める。共著に『「最高の人材」が入社する 採用の絶対ルール』(ナツメ社)

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