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学生本位の企業選び支援 自社にも利点 特別セミナー「採用力が企業の将来をつくる」(下)

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「世の中ため」の意気込みで/採用で社員も成長

 最後に、学生ファーストを実践し、採用を大きく変えたニトリの取り組みにについて改めて質問がありました。永島氏は「自社のためでなく、世の中のためにやるぐらいの意気込みをもって取り組むことで、結果が出てくる。キャリア支援をした学生が他社に就職することもあるが、口コミで次々と学生が自社に興味を持ってくれるようになっている」と答えました。

 永島氏はさらに、3つのポイントを挙げました。第1は、卒業年度ではなく、特定の学生に着目して採用を考えること。第2は社員を巻き込むこと。採用関連イベントは、参加する社員にとっても学びを得られる場であるといいます。例えば、家具業界には2~4月に春需と呼ばれる繁忙期があるものの、最近春需は落ち込んでいる。その原因を学生といっしょに考えるイベントを企画し、商品部へ参加を要請すると、社員も本気になる、といった仕掛けだといいます。第3は、リクルーターには現場の優秀な人を任命することを挙げました。部署の管理者は部外には出したくないはずだが、会社全体の利益につながるうえ、なにより本人のためになると考えているといいます。

 会場からは「学生ファースト」「学生のキャリア支援を行う、困り事をなくす」といった意義は理解できるが、「なぜ学生にそこまでする必要があるのか」という率直な質問がでました。

 永島氏は、そうした採用のほうが入社後の活躍につながりやすいと指摘し、結果的に「学生ファーストの利点は大きい」と説明しました。杉浦氏は、人事戦略における「採用」をしっかり実施すれば、後工程の「配置」や「育成」が楽になるという理由を挙げました。「『求める人物像』を追いかけがちだが、『自社を求めてくれる人材』を採用できれば、入社後に、自走して成長する可能性が高い」からです。

 伊達氏は、採用は学生側と会社側とが互いを売り込む場であり、「自分・自社に有利なこと」を言う傾向にある点を指摘したうえで、その壁を乗り越えるためには、相手の立場で考える関係を構築する必要があるとしました。それを実現するのが「学生ファースト」に沿った採用だというわけです。

 最後に伊達氏は、本セミナーを通して出た「学生ファースト」について、「わかってみれば当たり前のことだが、それをいかに徹底して実践するかが改めて重要だと感じた」と結びました。

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