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採用力向上、「学生ファースト」徹底がカギ 特別セミナー「採用力が企業の将来をつくる」(上)

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キャリア一緒にデザイン 学生の悩み解消―――ニトリホールディングス・永島寛之氏

 ニトリの採用はここ数年で大きく変わりました。以前は有効な母集団形成ができておらず、内定辞退率や入社後の早期退職も発生していました。しかし、現在は7月には600人規模の採用にめどがたち、内定辞退率や入社後の早期退職も急減しています。

 その要因は採用にマーケティングのカスタマーファーストの考え方を持ち込んだことが大きかったです。特に(1)学生ファーストのマインドセット(2)未来から逆算した採用広報の2つのポイントが中心になります。

 学生ファーストのマインドセットとは、ニトリが学生を選ぶのではなく、学生にニトリを選んでもらうというものです。入社前から入社後の活躍・リタイアまでのキャリア人生を一緒にデザインすることで、学生がニトリで活躍したいと思える環境を整えます。採用だけを切り離して考えるのではなく、入社から活躍までのエンプロイジャーニー全体を考えることが重要です。

 ニトリは人事でのHRテック導入に先進的と言われていますが、採用ではテクノロジーは意思決定の参考程度にしか使っておらず、人海戦術をしています。そのため、社内には採用のみに従事する専任のリクルーターが40人います。入社3~5年目の社員から選抜された幹部候補生で、期限は2年です。毎年600人を採用するなか、学生としっかり向き合うには40人の専任リクルーターが必要で、彼らは通年にわたって学生と会っています。

 採用戦略は、(1)優秀学生は「意外性」と「共感性」が響く(2)採用広報は「伝える」よりも「問う」(3)面接は入社後のストーリーメイクが中心、という3つを柱にしています。広報戦略は、インターンシップを中心に組み立てています。インターンシップの目的は採用というより「就職に悩む学生をゼロにする」ことを掲げています。幅広い業種があるニトリという舞台を使って、学生に企業やキャリアを考えるきっかけを提供としたいと考えています。

 ニトリは「志望していない学生にも入社して欲しい」と考えています。現在では、ニトリの併願率はメーカーが40%、金融・ITが33%にまで高まりました。

 こうした「学生ファースト」の取り組みは時間も手間もかかりますが、結果的には、必要な人材確保への近道といえます。

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