愛されシニアを目指すスキルアップ道場

シニアの挑戦を若手は見ている 「今、頑張っている」ことが重要 トレノケート シニア人材教育コンサルタント 田中淳子

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 多くの企業がそうであるように、私の勤務先にもシニアが増えてきた。創業当時30歳前後のイケイケだった私たちは、20年以上が経ち、多くが50代に突入した。若手もどんどん入社しているが、シニアの数も増えていくので、結構目立つ。

 その勤務先で、最近、立て続けに30~40代前半の後輩たちにこんなことを言われた。

 「淳子さん、新しいことに取り組んでいて、凄いですね。」

 「淳子さんだけじゃなく、○○さん(私と同年代)も新しい資格を取ったり、これまでとは違う仕事に挑戦したりしていて、凄いなぁとよく話しているんですよ」

 こういう風に後輩たちがコメントしてくれることは大変ありがたいのだが、この発言には、「シニアは新しいことに挑戦しない」という前提があるように思う。

 20代が新しいことに挑戦しても、30代が資格を取っても、誰も「20代なのに凄いね」「30代なのに素晴らしい」などと言わないところを見ると、「50代以上は、あまり挑戦はしないもの」となんとなく思われているようである。

 「新しいことをしたがらない」「やり方を変えたがらない」「難しいことを回避する」など、シニアには、ネガティブな印象が付きまとう。

経営者や人事部が「50代を何とか鼓舞したい」と言う

 最近、企業からの相談で増えているのが、そのシニアのことである。

 人生100年時代と言われ、働く期間が長くなることも見込まれている昨今、経営者や人事部から「50代を何とか鼓舞したい」と言われることが本当に多くなってきた。

 「昔は、60歳が定年で、会社に余裕もあったから、50歳超えたころから失速していくシニアがいても、“長年勤めてきたのだし、高齢なのだから後は定年まで無難にお願いします”という空気もあったものですが、今は65歳、今後は70歳まで働くことが考えられ、そんな悠長なことを言っていられないんですね。50歳だったら70歳まで20年もあるわけで、これまでの貯金(知識やスキルの貯金という意味)で乗り切れると思えないじゃないですか。それを60代になってから気づいても遅いから、できるだけ早く、50歳になったら、もうひと花もふた花も咲かせよう!とブーストしてくれるようにしたいんです。新しいことに挑戦するとか若手の手本になるように行動するという方向に動機づけたいのだけれど、どうしたらよいでしょう?」――こんな話を聴くことが多いのだ。

 そうやって「なんとかしたい」と思われるシニアだって、若い頃には相当頑張ったと思う。特に、今の50代はバブル前後の世代なので、本当に長時間働いただろうし、パワハラなどという概念もなかったので、今だったら完全アウトになる上司の無理難題にも対応してきただろう。

 資格が必要とされる職種であれば、勉強し、資格も取得してきただろうし(今、その知識や技術が陳腐化していたとしても、その当時は最新の知識や技術を学んだのだ)、さんざん切った張ったも乗り越えてきた。30年もそんな風に懸命に働いてきたのだから、もうそろそろ楽したいなぁと思うのも無理はない(若い頃、当時の50代の先輩たちを見ながら、私も50代になったらのんびりしたいし、のんびりできるのだろうと思っていた)。

 しかし、時代は変わった。変化の激しさは増すばかり。価値観も大きく変わった。あっという間に考え方も知識も技術も古くなってしまう。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。