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GSOMIA失効回避から考える国際ビジネス交渉術 浅羽祐樹・同志社大教授に聞く

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 日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効が土壇場で回避された。しかし、元徴用工問題に端を発した日韓の対立が、根本的に解決したわけではない。互いの主張は依然かみ合わない部分も残る。GSOMIAを巡る今回の日韓のすれ違いを分析すると、海外でビジネスをする際のリスク管理などにも応用できる。ソウル留学などの経験を持つ代表的な韓国ウオッチャーの一人で、韓国政治を研究する浅羽祐樹・同志社大教授は、「相手側の論理を十分に把握してこそ有効な手が打てる」と説く。浅羽教授に今回の問題の背景と交渉のポイントを聞いた。

日本企業、差し押さえの時点で「実害」

 ――GSOMIAの失効はとりあえず回避されましたが、日韓関係は今後も難題が待ち構えています。

 「日本企業の保有する、韓国合弁企業の株式や知的財産権の現金化に韓国側は着手していない。それなのに先手を打って日本が輸出規制したのは許せないと韓国は反発しています。しかし正確には、資産を押さえられた時点で実害が生じています。日本企業は自由に処分できないわけですから。それを韓国の友人に説明しても納得してくれません」

 ――日本経済新聞社の10月の世論調査では「日本が譲歩するぐらいなら関係改善を急ぐ必要はない」が69%と圧倒的でした。進歩派の文在寅(ムン・ジェイン)政権の間は関係改善が難しいとの声もあります。

 「文大統領のキャラクターも一因ですね。かつての人権派弁護士で、原理原則に関しては妥協しないタイプです。側近の曺国(チョ・グク)前法相の任命強行にみるように、他人の話を聞いても自分の意見は変えません。ただ反日派ではなく反『保守派=親日派』なのです。国内の『保守派=親日派』叩きの延長で『反日=愛国』『親日=売国』と位置付けたのが曺前法相でした」

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