経済のデジタル化にともない、デジタル・プラットフォーム企業による市場の独占化・寡占化傾向が強まっている。デジタル・エコノミーにおける競争政策はどうあるべきか。公正取引委員会委員長の杉本和行氏が著した『デジタル時代の競争政策』をもとにポイントを解説する。
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デジタル・プラットフォームの急成長
近時、デジタル・プラットフォーム事業の成長が著しい。デジタル・プラットフォーム事業の成長の速度には驚くべきものがあり、創業後5年程度であっという間に急激に成長してしまうような事業も見られる。デジタル・プラットフォーム企業の急成長に伴い、世界で流通するデータの量は爆発的に増加している。2018年でフェイスブックのユーザーは23億人、アリババのユーザーは6億人となっていると報じられている。また、グーグルのクリック数は年間2兆回と天文学的数値になっているとされている。世界で生まれるデータの量は指数関数的に増加しており、2018年33兆ギガバイトが2025年には175兆ギガバイトにもなるという予測もある(図表1)。
米国市場における時価総額上位企業の顔ぶれは、20世紀末(2000年末)では、ゼネラル・エレクトリック、エクソンモービル、ファイザー、シスコシステムズ、ウォルマートといった企業がトップ5社であったものが、現在では、マイクロソフト、アマゾン、アップル、アルファベット(グーグル)、フェイスブックといったデジタル・プラットフォーマーが時価総額上位企業に名前を連ねており、様変わりの感がある(図表2)。
また、中国の株式市場でもアリババ、テンセントといったデジタル・プラットフォーマーがトップ上位に位置している。
このように、デジタル・プラットフォーマーの市場における存在感が急速にかつ極めて大きくなってきている。





