物流がわかる

世界最大のEC企業「アマゾン」が物流でチャレンジ続けるワケ イー・ロジット 代表取締役社長 兼チーフコンサルタント 角井亮一

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 この連載では、先進的な物流の取り組みをしている企業を紹介します。著者ができるだけ現地に足を運び、直接体験・取材してきた情報を、自分なりに解釈して解説します。第1回ではアマゾン・ドット・コムを扱います。

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 アマゾン・ドット・コムの勢いにはいっこうに衰えが見えません。

 2018年度の業績を見ると、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)を含む全社の売上は対前年比31%増の2328億ドル(約25兆6000億円。1ドル=110円換算)、営業利益は前年約3倍の124億ドル(約1兆3600億円)を稼ぎ出しました。部門別売上高はオンラインストア(実店舗、マーケットプレイスの手数料、定額制サービス含まず)が約1220億ドル(対前年比13.5%増。約13兆5000億円)、AWSが約256億ドル(対前年比46.9%増、約2兆8000億円)です。

 日本企業の売上げでは、トップはトヨタ自動車で、2019年3月期に日本企業として初めて売上高30兆円を超えました。ソフトバンクは3兆7000億円(2019年3月期)、ユニクロやGUを展開するファーストリテイリングは2兆円超(2018年8月期)、楽天が約1兆1000億円(2018年12月期)といった規模です。

 ちなみにアマゾンジャパンの売上高は2018年度は138億2900万ドル(1兆5488億円)でした。

 世界の小売業の売上高ランキングが、毎年、世界的なコンサルティング会社、デロイトトーマツより発表されていますが、世界の小売業ランキング2019(2017年度決算)でアマゾンはついにトップ5入りし、ウォルマート、会員制サービスのコストコ、スーパーマーケットなどを展開するクローガーに次ぐ、第4位にランクされました。しかも、上位ランキングに過去5年の平均成長率が2ケタに届く企業が見当たらない中、アマゾンは18.0%の平均成長率をあげています。ちなみにトップ10入りは2017年のランキングでした。

 上位各社では2018年度の決算数字が発表されており、ウォルマートの5144億ドルは別格として、コストコが1410億ドル、クローガーが1212億ドルですから、オンラインストア売上げ(約1220億ドル)に実店舗売上げ等(約270億ドル)を含めて約1500億ドルとなるアマゾンは、2020年のランキングでは第2位にランクアップすることが予想できます。

 アマゾンは世界最大のEC企業です。

 しかし、それだけの企業ではありません。実は、同社が稼ぎ出す営業利益の内訳を見ると、その半分以上がAWSによるものとわかります。2018年度こそ、全社利益の約6割でしたが、2017年度は他部門の赤字の穴埋めもしていたため100%以上の比率になっていました。シンガポールに本部を置く市場調査会社カナリスが、まとめたレポートによると、2018年におけるクラウドコンピューティング・サービスへの世界支出額は、804億ドル(約9兆円)でした。そのシェアのナンバーワンはAWSで、31.7%ものシェアを占めています。

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