「働き方改革」 先行する中小、挑戦するベンチャー

「子育て第1、仕事第2」で成長を維持 日本政策金融公庫総合研究所主席研究員・井上考二

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 働く世代は仕事だけでなく、プライベートな時間でも何かと忙しい世代でもある。従業員にとって、時には仕事より優先しなければならないものの代表は、やはり子育てに関することだろう。勤務時間の短縮や、フレックスタイム制など以外にも、子育てを支援する新しい取り組みが、中小・ベンチャー企業の経営トップに求められている。

子ども手当て、人数に関係なく支給

 土木・造園工事などの大志建設(杉沢教人社長、静岡県沼津市、従業者数12人)は、子ども手当を従業員に支給している。第1子は8000円、第2子は1万2000円、第3子は1万6000円、第4子以降は2万円を、その子どもの高校卒業まで毎月支給する。

 大志建設の特徴は、支給対象の人数は関係ないことだ。第1子が高校を卒業して支給対象でなくなっても、第2子にかかる支給額は1万2000円のまま変わらないのである。子育てへの手当は、企業規模の大小に関わりなく一般化している。しかし多くの場合は支給対象の子どもの数で支給額を決めている。2017年には同社の就業規則で明文化した。

 大志建設が目指すのは「顧客から緊急の時に1番に相談される企業」(杉沢社長)だという。同社が受ける依頼は、自治体からの大雨で水没した道路へのバリケード設置から発掘した遺跡の移動、個人からの蜂の巣の駆除までさまざまだ。

 転職率が比較的高い中小建設業界で、地方において従業員を確保するのは一段の工夫が求められる。子どもが日々成長する地元と結びつき、きめ細かく地域に貢献することで生き残りをはかるのが、杉沢社長の経営方針だ。杉沢社長は「資格手当なども含め、賃金水準は同規模の同業他社よりも高い水準になっている」と話す。従業者も徐々に増やしており、この15年間で4人から12人になった。

 地元密着に徹底する方針は、同社の地域貢献手当からもうかがえる。子ども会やPTAなどの地域活動で就いている役職に応じて、月2000円から5000円を支給する。地域活動への参加を促すために設けたもので、複数の地域活動に参加している場合は、月1万円を上限に、それぞれの活動に対して支給している。

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