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ニューリテールは中国人消費者をどう変えたか

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買い物のしやすさ追求

――ニューリテールは中国人の消費をどう変えていますか?

 「買い物がしやすくなったことで消費を後押ししています。所得など消費を左右する要因はいろいろとありますが、大事なのは買い物がしやすいかどうかです。欲しいと思ったときにすぐに買える、店頭で見て気に入ればすぐに購入し自宅に届けてもらえる、といった仕組みはとても便利で、一度慣れてしまうと店頭で精算のために列に並ぶことがいやになってしまいます。中国人消費者はスマホで注文しすぐに自宅に届けてもらうという買い物スタイルにすっかり慣れてしまっています。日本のように自宅の近くに多くの小売店があり、いつでもすぐに買い物できるいう環境にあるわけではないことも背景にはありますが、ここ数年で消費者の買い物スタイルや意識は大きく変わりました」

――外資系でこうした中国人の消費行動の変化に対応している企業はありますか?

 「ユニクロです。店舗とオンラインを融合させたニューリテールを確立しています。中国全土に展開した多くの店舗がEC(電子商取引)の倉庫としての役割を担い、注文が入ると店舗在庫から発送しています。SNSによるマーケティングも進めています。中国ではネットの口コミが購買を左右しており、新商品などの情報をウィーチャット(WeChat)やウェイボー(Weibo)などのSNSで発信しています。こうした戦略をとれる外資系企業はほかにありません」

――メーカーはどう対応すればよいですか?

 「ニューリテールの進展で商品のライフサイクルがさらに短くなっています。商品の人気はネットの口コミなどのトレンドで決まっており、従来の商品開発プロセスは通用しない局面も増えてくるでしょう。市場調査して設計・生産して市場に投入するのは1年後というようなプロセスでは遅すぎます」

――日本企業はニューリテール時代の中国人消費者にどう向き合えばよいですか?

 「ニューリテールは中国人消費者を理解し、中国市場を攻略するためのチャンスになります。ネットを通じて中国人消費者の動向がよくわかるからです。SNSには中国人消費者の生の声があふれています。例えばいま、寮生活をする女子大生に消臭剤が売れています。理由を探ると、共同トイレを利用した後、次に利用する人のために使っているのです。こうしたことがわかれば、どうアプローチすべきか戦略が立てられます。さらにKOL(キー・オピニオン・リーダー)と呼ばれるインフルエンサーなどとのやりとりを見ていれば、最新の人気商品や人気の理由がわかります」

 「消費市場としてみれば中国は世界の最先端にいます。この動きはいずれ日本にも波及していく可能性があることを念頭に中国人消費者の変化をみていくことが重要です」

(聞き手は町田猛)

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