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ニューリテールは中国人消費者をどう変えたか

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 中国人消費者の購買スタイルが変化している。中国国内で進んでいるニューリテールと呼ばれる小売革命が背景にある。リアルの体験とネットの利便性を融合させた、いいとこどりの購買スタイルだ。しかし、そうした新たな消費に対応している日本企業は多くはない。こうした変化にどう対応すればよいのか?中国人消費者の動向に詳しい中国市場戦略研究所の徐向東代表に聞いた。

ネットとリアルを融合

――中国市場で進んでいるニューリテールとはなんですか?

 「インターネットを基盤にビッグデータなどを活用し、商品の生産、流通、販売の各プロセスでイノベーションをおこし、オンライン、オフラインと物流の融合を進めることで体験をベースにした新しい消費のスタイルを実現することです。例えば、店頭で衣服を試着してその場でネットを通じ購入、夜に自宅で受け取るといった買い物のイメージです。アリババを創業したジャック・マー氏が提唱しました。代表的な店舗の1つがアリババグループが展開するスーパーのフーマーです。フーマーではスマートフォンのアプリを使って快適に買い物ができます。商品には鮮魚を含めバーコードがついています。商品を実際に手に取りバーコードをスキャンすれば産地など商品情報がわかります。商品はアプリの『買い物カゴ』に入れてレジでキャッシュレス決済をすれば自宅に届けてもらえます。店舗内で手ぶらで買い物ができるわけです」

 「中国の消費市場の変遷をとたどると、ニューリテールの登場は必然だったことがわかります。1990年代半ばに外資のカルフールが進出、快適な環境のなかで、大量の商品を見比べて買い物をするというスタイルは、多くの中国人消費者を魅了しました。カルフールの進出をきっかけに、スーパーや家電量販店で海外の良いものを買うというスタイルが定着しました。ただ、一方でそうした小売店は商品価格が高いという不満がありました。そうした不満を解消したのが、アリババなどのネット通販でした。価格が安いうえ商品を届けてくれる利便性で一気に普及し、リアルの店舗を脅かすまでに成長しています。しかし、ネット通販の普及にともない、やはり、商品は実際に手に取って選びたいという従来のニーズが顕在化してきました。そこで店頭での体験とネット通販を融合させたスタイルがでてきたのです。カルフールがニューリテール戦略の一環としてアリババに買収されたのは象徴的な出来事だといえます」

――中国でニューリテールが普及した背景は?

 「ネット通販の拡大で中国に宅配の仕組みが普及したことが大きく寄与しています。高速道路などインフラが整備されたうえ、トラック版ウーバーのような仕組みが登場したことで、多くの運送事業者を確保し、迅速に商品を運べるようになりました。キャッシュレス決済で決済が容易になったこともニューリテールの拡大を支えています」

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