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インバウンド需要の主役は中国「草食系」

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新しい「聖地」は秋葉原駅ホームのミルクスタンド

 ――週末の東京・銀座には若い中国人観光客の姿が絶えませんね。

 「日本の法務省のデータでは中国人観光客は20歳未満が12.3%で20代が25.7%。さらに30代が29.2%と若い層で過半数を大きく上回っています。特に1980年代、90年代に生まれた20~30歳代は中国国内でも高額消費のけん引役です。奢侈(しゃし)品を購買する層の割合は、18~24歳が36%、25~30歳が32%、31~35歳の層が13%というデータもあります。これら若いプチ富裕層が、何度も日本を訪れていると分析しています」

 ――中国の文化大革命を知らずに、「改革・開放」以降の高度経済成長期に育った世代ですね。

 「1979年に一人っ子政策が始まっており、若いプチ富裕層は不動産バブルや株バブルの恩恵を受けた親元に同居しているケースが多いのです。実家に生活費を入れる習慣はなく、中国には相続税も贈与税も現在はありません。一人っ子同士で結婚すれば、自由に使えるお金はさらに増えます。裕福な家庭に育ち、自らも起業する『富二代』も増えています」

 「滞在日数は4~6日のケースが多く、さっと来てさっと楽しみ買い物をして帰るパターンが目立ちます。ある30歳代半ばのOLは毎月訪日し、日本酒の利き酒師の資格を取得しました。子供が幼いとあまり遠くに行けないため、家族旅行で年に3~4回訪れるケースも少なくありません」

 「若いプチ富裕層は、日本人が気付かないヒット商品を発見したりしています。中国人観光客の新しい『聖地』に、JR秋葉原駅の5番ホームにあるミルクスタンドがあります。健康志向の強い若者層の間では、現在ちょっとした牛乳ブームが起きています。しかし中国国内では種類も乏しく、以前の粉ミルク混入問題もあって手を出しにくい。日本の牛乳は種類も多く、濃厚でおいしく安心というわけです」

「仏系」は恋愛に消極的でガツガツせず

 ――20代の若者層は、上の世代とは違うニーズがあるでしょうね。

 「モバイル決済、スマホ注文のデリバリー、タクシー配車アプリなどを、中国の大都市に普及させたのは1990年代以降に生まれた20代の層です。物心ついた時にはネットが整備されており、日常生活でスマホが手放せないデジタルネーティブの世代です」

 「ガツガツしていないので『仏系』と呼ばれます。恋愛に消極的で、他人と争ってまでの上昇志向はありません。他方、消費マインドは旺盛でローンにも抵抗がありませんが、モノであふれ返った世界で育っているから、誰でも知っているメジャーなブランドの価値は低いのです」

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