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インバウンド需要の主役は中国「草食系」

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 日本への中国人観光客が、7・8月に連続して月間100万人を超えた。2019年は年間で1000万人目前にまで達しそうだ。韓国からの訪日客数の減少とは裏腹に、中国プチ富裕層の日本人気は根強く、現段階では米中貿易摩擦などの影響を感じさせない。その中心は若い20~30代層で、とりわけ「仏系」(=ぶつけい、日本の草食系と似た意味)と呼ばれる中国若者層がインバウンド需要をけん引しているという。上海と東京に拠点を置き、観光情報を発信している袁静・行楽ジャパン社長に聞いた。

中国人訪日客、年1000万人時代へ

 ――2019年上半期(1~6月)の中国からの訪日客は453万人でした。これまでの定番だった2月の「春節」、10月の「国慶節」以外のシーズンにも訪日するケースが増えています。

 「観光庁の『訪日外国人消費動向調査2018』では、中国人の1人当たり旅行支出は約22.4万円(平均15.3万円)でオーストラリア、スペインに次いで3位でした。遠方からの観光客は滞在日数が長くなり、宿泊費の占める割合が高くなります。買い物にあてた金額だけでみると、中国人は11.2万円と突出しています(2位はベトナム人の6.3万円)」

 ――米中貿易摩擦の影響や中国経済の減速予測をどうみていますか。

 「米中間の摩擦は全く先行き不透明で、予断を許しません。しかし直近をみると日本企業への追い風となりそうです。基本的に欧米志向だった中国のリッチ層の目が日本に向いているからです。富裕層からは『景気が不透明なのでポルシェを諦めてレクサスで辛抱しておくか』などといった声が聞かれます。中国の自動車販売台数は7月まで13カ月連続で減少しているのにトヨタの販売台数は17カ月連続で前年同月を上回っています」

 「今後は医療ツーリズムや長短期の留学などで、米国に代わって日本の需要が増えてくると読んでいます。ただ中国リッチ層はパイとしては人数が少ない。日本のインバウンド需要をけん引するのは約3.5億人の中国・中間層のうちの上位1億人のプチ富裕層でしょう。例えば年収が20代で1000万円を超え、何度も日本へ個人旅行できる人々です」

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