5Gビジネス

「5G」がもたらす製造業の革新 ボッシュ、デンソー、コマツ... 野村総合研究所 亀井 卓也

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 製造業における「5G(ファイブジー、第5世代移動通信システム)」の活用用途としては、工場で稼働している工業機械の故障等の予測や検知、産業用ロボットの中央制御や協調作業、製造や配送工程におけるトレーサビリティ(原材料や部材の仕入先や販売先を追跡可能な状態にすること)などが挙げられます。

 予測や検知のためのデータ収集であればLPWA(省電力広域無線技術)で実現可能ですが、解析結果をさらにフィードバックしてロボットを制御するというのはLPWAでは難しいため、製造業の通信への要請は、より難度の高いものになります。

 5Gによるデジタルトランスフォーメーションを考える際に、製造業は特に期待の高い分野といえるでしょう。

 まずはボッシュのMWC2018(世界最大の携帯見本市 モバイル・ワールド・コングレス)でのプレゼンテーションから、製造業における5Gの可能性を見ていきましょう。

ボッシュの考える6つの「スライス」

 2018年2月~3月に開催されたMWCで、ボッシュのアンドレアス・ミューラー氏は「インダストリー4.0のためのネットワークスライシング― その期待と機会」というタイトルで、インダストリー4.0(デジタル技術で製造業の技術革新を図ることで、ドイツ政府が推進する)と5Gによる製造業の革新を語りました。

 このタイトルに集約されていますが、5Gによる革新は通信が速くなったり低遅延になったりといった要素よりも、ネットワークスライシングにより多様な通信を工場の中に導入することによりもたらされる、というのが同氏の結論です。

 では工場内でネットワークスライシングをどのように活用するのかについてですが、まず工場内にはFA(Factory Automation:生産ラインを自動化するシステムで、ロボットアームなどの産業用ロボット)、モバイルロボット(工場内を動いて業務を遂行するロボット)、HMI(Human Machine Interface:工場内の技術者が持ち運んだり、装着したりして業務を支援する端末。業務用タブレットやHMD)、物流用デバイス(工場内を運ぶモビリティやトレーサビリティ管理のためにパレットに装着された通信チップなど)というように、通信を発生させるさまざまな端末が存在しています。

 それぞれの端末がいろいろな目的で通信を行うわけですが、通信に対する要請は目的によって異なるため、ネットワークスライシングによってそれぞれの通信を最適化したい、というのがボッシュの5Gへの期待です。

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