長島聡の「和ノベーションで行こう!」

エコ運転支援で蓄積した「人の気持ちに寄り添う」チカラの可能性 第29回 アスア 間地 寛・代表取締役社長

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

長島 弊社には「未来構想センター」という組織があります。中野(大亮)という者をヘッドにして、弊社が生み出したい未来を構想し、それに向かって行動していますが、その感覚と非常に近いものを感じます。

間地 アスアという社名にも未来に向けて新しいものをつくり上げていきたいという思いが込められています。私たちは小さな会社ですが、スタートしたときに「ニッチトップ」で行こうという考えでいました。そして、日本や世界に打って出ていっても評価される――そういう事業を徹底的に追求して、新しい価値を創造していく――それこそが、ぜひやりたかったことです。

燃料コストの高騰に悩む物流会社をコンサルティングで支援

長島 次に、これまでどのように、ここまで会社を大きくされたのか、ぜひ教えていただけますか。社員が140人いる物流関連のコンサルティング会社は大変珍しいと思います。

間地 創業は25年前、私が26歳のときです。当時はガス漏れ警報器の取り付けをガス会社の孫請けで行っていました。当時、1日20個の警報器を付けると5万円、20日間で100万円の手数料になります。3カ月続けて売り上げが100万円を超えたので、自宅のリビングに机を並べ、女性のアポインターと男性のアルバイトを雇いました。それが弊社のスタートです。

長島 最初は、エコドライブのコンサルティングではなかったのですね。

間地 はい。とはいえ、その仕事にはあまり創造性を感じませんでした。それで、ガス漏れ警報器と電話回線をつないで24時間自動通報するサービスができたのを機会に、電話設備の設置サービスへ参入したのですが、当時のお客様に、なぜか物流会社が多かったんですよ。そして、物流会社のお客様から、通信コストの削減より燃料コストの削減をしてくれないかというお話をいただきました。

長島 物流会社のお客様が多かったといっても、電話を設置する会社がそんな話をいただくものでしょうか?

間地 その頃、燃料コストが非常に高騰していまして、どこの物流会社さんも通信費以上に悩んでいたようです。そんなとき、「燃費が向上する製品」を紹介されたのです。これをトラックの燃料タンクに入れると燃費が10%上がると言われ、私は信じました。実際にトラックの燃料タンクへ入れると、成果が出たのです。すると、お客様が別のお客様を次々と紹介してくれ、合計で約5000台に導入することができました。燃費は計測しており、5000台平均で約15%改善したのです。

長島 すごいですね。

間地 でもこれは結果から言うと大失敗でした。あるとき、大手自動車会社さんから、その製品を導入する前に、エビデンスを提出してほしいと言われます。それも10・15モードと呼ばれる、自動車のカタログに掲載する方法で測定してほしいというのです。

長島 より厳格な測定結果を求めたわけです。

間地 それで公的試験場で2日間かけて燃費を調べたのですが、驚いたことに「誤差の範囲の改善しかしない」、つまりこの製品単体には何も効果はありませんという結論でした。とにかく私たちは、販売した全商品を回収・返金しました。でも5000台に及ぶトラックの燃費が改善したのは確かなのです。それはなぜかと考えました。

長島 原因が別にあったのですね。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。