日本型のイノベーション=「和ノベーション」を実現するには何が必要か――。ドイツ系戦略コンサルティングファーム、ローランド・ベルガーの長島 聡社長が圧倒的な熱量を持って、未来へ挑む担い手たちを紹介します。今回のゲストは、「エコドライブ」の支援をはじめとする物流・通信・ITの総合コンサルティング事業を手がけているアスアの間地 寛氏(代表取締役社長)です。
コンサルティングのときに「人の気持ちに寄り添う」ことを重視
長島 私たちの仲間企業ドリームアーツの山本(孝昭)社長と、ニューヨークで会われたのがこの対談をお願いするきっかけになりました。一度、御社の東京支社へお伺いしていますが、今日はより詳しく話をうかがえますでしょうか。御社は、物流会社のトラック運送に対するコンサルティングで大きな実績をお持ちですが、そこで蓄積されてきたコミュニケーション力は、幅広く応用できるものだと感じています。
間地 私たちがコンサルティングのときに「人の気持ちに寄り添う」ことを重視しているところでしょうか。
長島 弊社は昨年から「みんなでうごこう!」という社内プロジェクトを始めました。ヒトやモノの移動総量を増やして経済を活性化するのが狙いですが、成果を上げるには、人の気持ちに寄り添わなければならないと考えています。例えば、ある地域の経済を活性化するためには、その地域の方々の気持ちに寄り添わなければ本当の成功はありません。「人の気持ちに寄り添う」ことは、おそらく、あらゆる変革のカギになる、というのが私の感覚です。
間地 その通りだと思います。
長島 まず、「アスア」という社名が気になっています。どのような意味が込められているのでしょうか?
間地 「明日を開ける」という意味で「アスア」にしました。社是も「ひとりひとりの輝きが明日の未来を開ける」というものです。
長島 でも「明日」って自然に「開く」ものなのだと思います。御社の社名には「明日を能動的に開ける」「明日こういうことを実現するんだ」といった思いが入っているように感じます。
間地 仰る通りです。私のモットーは「常に明るく」でして、明るくなるには「寝て起きたら明日が来る」という受動的な考え方ではなく、「自ら明日を開ける」という強い意志や行動力が必要になると考えています。そういう考えを持った人が集まれば良い会社になり、世の中に貢献できる仕事ができると常々社内でも言っています。