5Gビジネス

「5G」になるまでモバイル通信はこう変わった 野村総合研究所 亀井 卓也

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スマートフォンの登場

 iモードやEZwebが開始されたのはまだ2Gの時代でした。そして2001年に「3G」が開始されます。3Gは初めて国際標準として定められた移動通信システムになります。これにより、日本の携帯電話端末を海外でも使えるようになりました。

 2001年に国内で開始されたNTTドコモの「FOMA(フォーマ)」は、3Gの商用サービスとしては「世界初」の快挙でした。2Gから3Gに進化するにあたって通信が高速大容量化し、iモードやEZwebといったプラットフォーム上のサービスが、一気に普及していきます。

 とはいえ、携帯電話端末の主流はいまだ「フィーチャーフォン」でした。そのような中で、2008年にソフトバンクから「iPhone 3G」が提供されます。これは国内でリリースされた初めてのiPhoneであり、スマートフォンの爆発的普及とともに、ソフトバンク躍進のきっかけとなりました。

 iPhoneは、いまなお国内において圧倒的な存在感があることからも、iPhone 3Gの国内リリースは歴史的に重要な意義を持つでしょう。

 3Gの普及後も、通信の高速化に向けた研究開発は継続的に進められ、「3.5G」「3.9G」などと称されていました。なお、先述の「LTE」は、厳密にはこの3.9Gにあたります。

 2012年には標準化団体で次世代通信方式がまとめられ、「4G」としてサービスが展開され始めます。iPhoneを含めたスマートフォン上でのサービスは、4G環境でますます普及し、その事業機会を獲得すべく次々と新たなサービスが生まれてきました。特に4Gならではの変化という意味では、動画配信サービスやモバイルゲームのような、大容量コンテンツの普及が挙げられるでしょう。

 利用者の拡大と新サービスの創出が好循環を生み、スマートフォン上のサービスはいまや巨大な市場をつくり出しています。

5Gが本格的な商用化へ

 このように、移動通信システムは、キラーサービスとともに進化してきました。「1G」は音声通話、「2G」はメールやウェブ、「3G」はプラットフォームとサービス、「4G」は大容量コンテンツ、といったように。

 移動通信システムが進化すると、革新的なサービスが生まれます。そのサービスが移動通信システムへのより高い要求をし、それに応えるべく移動通信システムがさらに進化する、ということを繰り返しながら、成長を遂げてきたのです。

 通信量もそれを証明しています。総務省「我が国の移動通信トラヒックの現状」によると、国内における移動通信の総量は今もなお指数関数的に伸びています。移動通信システムの革新が求められている中で、いよいよ「5G」がやってくるということになります。

(つづく)

亀井 卓也 著 『5Gビジネス(日経文庫)』(日本経済新聞出版社、2019年)、「第1章 5Gが話題になる理由」から
亀井 卓也(かめい・たくや)
野村総合研究所 ICTメディア・サービス産業コンサルティング部 テレコム・メディアグループマネージャー。東京大学大学院工学系研究科卒業後、2005年野村総合研究所入社。現在は情報通信業界における経営管理、事業戦略・技術戦略の立案、および中央官庁の制度設計支援に従事。

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キーワード:経営・企画、経営層、管理職、経営、技術、製造、プレーヤー、イノベーション、AI、IoT、ICT

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