5Gビジネス

「5G」になるまでモバイル通信はこう変わった 野村総合研究所 亀井 卓也

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 「5G(ファイブジー、第5世代移動通信システム)」と呼ばれる新世代の移動通信サービスがいよいよ日本で開始されます。5Gは、スマートフォンがより速くなるなど、さらに高速な通信であるのは確かですが、それは、5Gがもたらす革新の一部に過ぎません。そこで、ここでは3回にわたり、5Gについて、技術や通信ビジネスにくわしくない人にもわかりやすく、その特徴を解説します。

◇  ◇  ◇

移動電話から「プラットフォーム」へ

 「5G」とは、「5th Generation」つまり「第5世代移動通信システム」のことです。5Gに至るまでに、1G(ワンジー)、2G(ツージー)、3G(スリージー)を経て、現在われわれは主に「4G(フォージー)」の移動通信システムを利用しています。4G、あるいはその通信規格としての「LTE(エルティーイー)」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。

 まずは、これまでどのように進化してきたのか、簡単に振り返ってみたいと思います。

 1979年、当時の日本電信電話公社が、自動車電話を商用化しました。1980年代には、持ち運びのできる、いわゆる「携帯電話」のサービスが始まりました。このときの移動通信システムが「1G」です。これはラジオのように、音声を電波に乗る信号に変換して伝送する「アナログ方式」でした。

 以降、移動通信システムは、10年ごとに革新されています。

 アナログ方式は伝送品質や伝送距離の面で課題があり、データを0と1でできたデジタルデータに変換して電波に乗せる「デジタル方式」の技術開発が進みました。1990年代は、このデジタル方式による移動通信システム「2G」の時代でした。

 デジタル方式による移動通信システムにより、データ通信が容易にできるようになったことで、携帯電話は通話(音声)だけでなく、メールをはじめとしたデータ通信サービスを利用するための端末となりました。

 1999年には、携帯電話の歴史における革命ともいえる、NTTドコモの「iモード(アイモード)」がリリースされました。同年にDDI-セルラー(現KDDI/沖縄セルラー電話、以下では「KDDI」と記す)は「EZweb(イージーウェブ)」を開始し、翌年にはJ-PHONEが「写メール」サービスの提供を始めました。この時代に、携帯電話は人と人とがいつでもどこでもコミュニケーションできるという「移動電話」としての存在から、いつでもどこでもサービスが利用できる「プラットフォーム」へと進化したのです。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。