SDGs入門

SDGsが目指す「持続可能な開発」はどう実現するのか 日本総合研究所 村上芽、渡辺珠子

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 日本総合研究所の村上芽氏、渡辺珠子氏が著した『SDGs入門』(日本経済新聞出版社)をもとに、今注目を集めているSDGsについて2回にわたり解説します。今回は後編です(前編はこちら)。

◇  ◇  ◇

MDGsとSDGsは何が違うのか

 環境や社会の課題に対して、国際社会がこれまで何もやってこなかったわけではありません。SDGsができる前にも、国連を中心としていろいろな活動がありました。持続可能な開発に関わりの深い主な国際会議を振り返っておくと図表4のように、1992年以降の10年ごとと、21世紀の節目となる2000年に行われています。

 1992年の地球サミット(ブラジル・リオデジャネイロで開催)では、「アジェンダ21」という文書が採択されました。「アジェンダ」と言えば、SDGsが含まれるのは「2030アジェンダ」です。「アジェンダ21」は、環境分野での国際的な取り組み推進のための行動計画と説明されていました。アジェンダというのがかなり大きな取り組みの塊を指す言葉だということがここでも分かります。

 そして2000年、21世紀が始まる直前の国連ミレニアム・サミット(米国・ニューヨークで開催)では、「ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)」が採択されました。ミレニアム開発目標は、貧困や飢餓の撲滅、初等教育の普及などに限って、2015年までに達成すべき8つの目標から成っていました。

 MDGsには達成できた目標もありましたが、貧困や飢餓で一部積み残しがありました。それらに継続的に取り組み、さらに、より広範な規模の課題(気候変動や格差拡大など)に取り組もうというのがSDGsです。

 MDGsと比較した、SDGsの特徴は以下の点です。

・SDGsは、先進国にも途上国にも共通の目標

・SDGsは、望ましい未来像から遡ったバックキャスティング思考で策定

・SDGsは、内容からも資金源からも、企業の参加なしには達成しえない

 MDGsへの貢献を積極的に情報発信していたのは、国内の企業では、貿易が生業である総合商社や、ごく一部のグローバル企業でした。日本政府でさえ、外務省には情報がありましたが、各省庁がMDGsに“対応する”といったことは起こりませんでした。

 それが、SDGsとなると大変な広がりになっています。このことは日本に限ったことではなく、多種多様な国際会議でも相当なボリュームで取り上げられており、特に2018~19年にかけてはブームと呼んでよいレベルとなりました。女性誌でSDGsが特集として組まれるほどになったのです(※15)。

※15 「FRaU 2019年1月号」講談社

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。