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高シェアやインド進出の企業、Jリート 今年後半に魅力増す投資先 経済アナリスト 田嶋智太郎

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 このところ、かねて期待されてきた世界的な在庫循環の一巡、すなわち企業の在庫が徐々に消化されて需要が回復に向かうタイミングがそろそろ到来するとの指摘をよく耳にする。

 7月下旬にも、米ゴールドマン・サックスが「半導体メモリーの在庫調整が想定よりも早まる」との見方を示したことにより、米株式市場では半導体製造装置の世界トップであるアプライドマテリアルズなど、関連する複数銘柄の株価が急騰する一幕があった。

 その数日前に半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が4~6月期決算を発表し「4四半期連続の減益となったものの、最悪期は脱し、7~9月期以降は需要回復が期待できる」との見方を披露している。同社の魏哲家・最高経営責任者(CEO)は会見で「在庫消化は順調に進んでいる。今年後半には高価格帯のスマートホンやサーバー、IoTなどの需要が伸びる」と強調し、それを受けて世界の半導体関連銘柄の多くに買いの手が回るといった展開も見られた。

 日本国内の半導体関連銘柄でも似たような状況が確認されている。7月29日に発表されたSCREENホールディングスの4~6月期決算は営業損益が44億円の赤字となり、10億円強の黒字を想定していた市場予想を下回る厳しいものとなった。それにもかかわらず、野村証券が同社について「半導体製造装置の受注環境改善を確認」とコメントしたこともあり、翌30日の同社株は急騰。ほどなく、欧州系・米系の複数の証券会社がともに同社の目標株価を大きく引き上げるに至った。

 同様に、国内の設備投資関連企業や半導体関連企業の4~6月期決算は、ほぼ例外なく前年同期比で大幅減益に落ち込んでいるものの、各社の株価は概ね堅調に推移しており、半導体関連のアドバンテストや東京エレクトロンなどは足下で年初来高値を更新する動きとなっている。

 つまり、市場は、世界景気の減速傾向が続いたのは4~6月期辺りまでで、7~9月期以降は徐々に回復に向かうと見ている。その点は、国際通貨基金(IMF)が7月の世界経済見通しにおいて「2019年の成長率は全体で3.2%に減速するものの2020年には3.5%に回復する」としていることにも符合するし、過去の経験則から「今年後半には底入れする」と見られているシリコンサイクルの考え方にも近い。

 もちろん、世界の主要な国や地域で金融政策がハト派寄りに傾いていることも今後の景気テコ入れに一役買うこととなるだろう。このほど米連邦準備理事会(FRB)が“予防的”な利下げの実施を決定したが、もともと米景気がすこぶる堅調に推移していることを考えると、この利下げは「バブル経済化へのアクセルを踏んだに等しい」と言えるかもしれない。その実、足下での調整はあるものの、主要な米株価指数が軒並み史上最高値の水準にまで達しており、少なくとも「その資産効果」は今後確実に表面化すると断言できる。

 実際、この年後半以降に世界景気が回復傾向をたどり始めるとした場合、そこで一段の存在感をアピールできる日本企業とは一体どのようなところか。あえて投資家目線で考えた場合、次に有望な投資先とは一体どのようなところになるのか。ここで、あらためて考察しておきたい(図表1)。

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