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働き方改革、ダイバーシティー...高評価企業に学ぶ課題解決のヒント 経済アナリスト 田嶋智太郎

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 超大型連休(10連休)が明けた5月7日以降、日・米をはじめとする世界各国の主要な株式指数は軒並み大幅安となり、全体景気の先行きに対する各方面からの見立ても日を追うごとに悪化している。

 言わずもがな、その主たる原因はトランプ米政権によって次々に繰り出される種々の貿易規制策であり、いまでは対中国のみならず対メキシコにまでその対象が拡げられようとしている。市場は、その悪影響が容易には払拭できないレベルにまで達してしまうことをおおいに警戒し、世界のマネーはただひたすらに米・独の国債や金(ゴールド)など、より安全と思われる“逃避先”を求めて彷徨(さまよ)い始めた。

 その結果、日経平均株価は6月4日に一時2万0300円割れの水準まで下落し、10連休前につけた直近高値からの下落幅が2000円を超えるに至った。この時点で、日経平均株価の株価純資産倍率=PBR(実績)は一時的にも平均1.03倍まで低下するという異常事態。周知のとおり、仮にPBR=1倍(1万9800円あたり)割れとなれば、いわゆる「ニッポン株式会社」は実質的にその“解散価値”を下回る存在ということになるわけで、どう考えても6月4日の水準は下げ過ぎであるとしか思えない。

 足下では、個別に年初来の安値水準にある銘柄も少なくはなく、ことに3メガバンクの株価推移は惨憺(さんたん)たる状態を続けている。たとえば、三菱UFJフィナンシャルグループ(銘柄コード=8306)の株価は10連休明け以降にいく度か500円を下回る場面があり、同時点におけるPBRは0.4倍を割り込むという危機的状況。結果、配当利回りが5%超にまで引き上がっているというのに、それでも押し目を積極的に拾って行こうとする向きがなかなか現れない。それほど、6月4日の市場心理は冷え切っているのである。

 ところが、かくも悲惨な相場つきにあって、なかには足下で年初来の高値水準まで株価が上昇している銘柄もないではない。全体が大きく下押しても、なお株価が比較的堅調に推移している銘柄も数あり、そうした企業には市場が一定以上の高評価を与える理由が当然ある。

 その理由を探って行けば、いま多くの企業が抱える重要課題を解決するための方策、その糸口がつかめるのではないか。そう考え、以下にそのいくつかについて考察しておくこととした(図表1)。

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