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シニアよ 外に出て学ぼう!費用は意外に安く交流も広がる トレノケート シニア人材教育コンサルタント 田中淳子

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 「人生100年時代」という言葉とともに、ここ数年、「リカレント教育(※)」という言葉を目に・耳にすることが増えた。リカレント教育とは、学校を経ていったん仕事に就いたのち、再度学校に戻り学び直すことを指す。アメリカなどでは、キャリア形成のプロセスとして普通に行われていると聴くが、日本ではまだまだ一般的ではないように思う。仕事をしながら大学院に通う同僚や知り合いもいるので、頑張る人は頑張っている。ただ、大学院となるとその努力は並大抵ではなく、誰もができることではないようにも思う。

※政府は『人生100年時代構想会議』でリカレント教育について議論している。

 私自身は、「テーマを決めて多くの論文・文献を読み、あるテーマを追究する学習」までは無理だと思っている。やはり、大学院はハードルが高い。

 ただ、「学び続ける」「学び直す」という意味では必要性をひしひしと感じる。シニアの多くも学ぶことの大事さには気づいていると思う。新しいことを学び続けて、自分の知識やスキルを常に見直していかなければ、キャリアを積み重ね、自分の道を歩み続けられるか不安だからだ。

 正直に言うが、私も30代後半くらいまでは、「ここまで15年近く頑張って来た。ここからは、これまでの知識とこれから積んでいく経験を糧に定年の60歳まで走り抜けられるかなぁー」と漠然と思っていた。知識と経験の貯金をしておけば、それを使いながら、職業生活のゴールまでたどり着けるのではないかとのんきに考えていたのだ。トンデモなく甘い考えでお恥ずかしい限りだ。

 実際、世の中の変化は、以前にもましてスピードアップし、顧客が求めるものも多岐にわたり、レベルが高くなり、とても若いときの“貯金”だけを使ってキャリアを重ね続けるのは無理だ。もちろん、年齢とともに経験は増えていくが、自分の経験則だけで何かを言ったりしたりしている人ほど危ういものはない。

 そう感じた私は36歳の時、決断した。人間関係が会社内に閉じていて、会社の中での価値観にどっぷり浸かり、「なんだか色んなことが分かっているような気がしているが、それは違う、私の世界は狭すぎる」。そう考え、まずは“大学”へ行ってみようと思ったのである。大学院ではない。選んだのは上智大学の社会人向け公開講座「ソフィア・コミュニティ・カレッジ」で、経営学の「組織論」をテーマにしたものだった。30人くらいの老若男女が集まっていただろうか。週1回、18時45分からの授業だったが、仕事を終えてから集まる人たちは熱心で、その空気に圧倒された。教授も入念な準備の上で授業をしてくださり、「ああ、こうやって人から何かを学ぶのはいいな」と思った。その後、この教授の授業を現在まで20年間取り続けている。春季と秋季の年2回開かれ、各期の授業は10~12回程度である(4~7月と10~1月が目安)。毎期のテーマは異なり、これまで「リーダーシップ」「アメリカの経営と日本の経営」「モチベーション」「渋沢栄一」「ドラッカー」などを学んで来た。

 この講座に参加しなければ読むことがなかった本も読んだ。もちろん、大学院で学ぶのとは全くレベルが異なる。授業と授業の間に課される宿題もなければ、試験も論文もないので気楽なものだ。しかし、それでも、この授業で学んだことが少なからず仕事に役立っている。

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