「令和」の国際企業戦略を分析する

逆風のグーグル・バイドゥ、検索からAIへ 田中道昭・立教大学ビジネススクール教授に聞く(5)

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 「GAFA」などを対象とする世界的な「デジタル課税」が具体化する。経済協力開発機構(OECD)は、サービス利用者がいる国により多くの法人税収を配分する仕組みや、法人実効税率に関する各国共通の「最低税率」について、2020年1月までの大枠合意を目指すと発表した。国際的な逆風が強まる中、検索サービスの雄で「GAFA」の一角を占める米グーグルは人工知能(AI)事業を加速させている。中国市場で検索首位のバイドゥも、自動運転を含めたAIビジネスに傾注する。巨大IT企業の2社の生き残り戦略を探った。

AIビジネスで優位性を保つグーグル

 立教大ビジネススクールの田中道昭教授は「GAFA自体が、それぞれの分野で破壊的なまでの影響力を持つようになったことが、国際的な規制の動きを強めている一因だ」と指摘する。個人情報の保護、データ独占からくる競争阻害、セキュリティー問題などがグローバル経済の中で大きな関心を集めている。

 プライバシー保護では、欧州の「一般データ保護規則(GDPR)」に続き、20年1月に米カリフォルニア州が「消費者プライバシー法(CCPA)」を施行する。CCPAは全米を対象とした新しい個人保護規制のモデルとなる可能性が指摘されている。競争阻害の点でも、米司法省は、グーグルの親会社「アルファベット」を新たに反トラスト法違反で調査する準備を始めたという。「手放しにデータの利・活用が進んできた展開に、歯止めがかかってくることは確実だ」と田中教授は分析する。

 その中でグーグルが事業領域を急拡大しているのがAIビジネスだ。巨大IT企業群の中でもグーグルの優位性が高いと評価を受けている。同社の研究組織「グーグルブレイン」のAI国際学会への論文提出数は、米マサチューセッツ工科大(MIT)を上回って首位だという。

 グーグルのAIビジネスの本命と田中教授がみるのが「完全自動運転」。09年から実用研究を進め、昨年12月には米国で自動運転タクシーの商業化をスタートさせた。田中教授は「グーグルの狙いは自動運転車のハード供給ではないだろう。顧客接点を増やして新サービスを提供し最終的には広告収入を増やすのが狙いだ」と予測する。

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