少子化する世界

「小さな奇跡」と評されたドイツ、裏側に外国人出生率の急上昇 日本総合研究所 創発戦略センター シニアマネジャー 村上 芽

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 村上芽氏が著した書籍『少子化する世界』(日本経済新聞出版社)から4回にわたり、少子化における世界の現状について報告する連載。第3回では、2016年に出生率が急上昇したドイツの現状をみる。生まれた子の数でみても79万2131人と、5年連続の増加によって1996年以来およそ20年ぶりの高水準で「小さな奇跡」とさえ評されたが、その裏側には外国人の出生率の急上昇がある。

◇  ◇  ◇

「小さな奇跡」の裏側

 ドイツの人口は2017年9月時点で8274万人*1と、欧州連合(EU)のなかで最も人口の大きな国である。うち、ドイツ人が7316万人、外国人が957万人であり、外国人の割合が11.57%となった。ドイツにおいて人口に関する議論は、移民や難民の受け入れと切り離せない。2011年9月から2017年9月までの6年間のデータ(図表3―1)をみても、人口全体は約3%(243万人)増えたが、その内訳はというとドイツ人は84.6万人の減少、外国人は328.1万人の増加である。

*1 ドイツ連邦統計局。出所:https://www.destatis.de/EN/Home/_node.html

 外国人が増えることによって総人口が増える傾向が、一貫して続いている。ドイツ連邦統計局による2060年までの人口推計も、移民受け入れのペースが低いパターンと高いパターンでまず示されており、移民に対する関心の高さを物語っている。

 ドイツは、少子化対策についていえば、先進事例としてみられていない。なぜなら、フランスと異なり、ドイツの出生率は長らく低迷していたからである。ドイツの期間合計特殊出生率は、1995年に1.2と、OECD諸国での最低を記録した。ドイツの出生率が他国と比べても低いのは当時始まったことではなく、1970~80年代はドイツがほぼ単独で最低ラインを描いている。

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