変革のカギを握る「コラボレーション主導型CMO」とは

CMOの再定義で見えてきた「オーケストレーション」の重要性 アクセンチュア インタラクティブ マネジング・ディレクター 望月 良太

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CMOに権限を付与し他の執行役員と対等に渡り合えるようにする

 日本企業のCMOはこうした大がかりな対策を推進する旗振り役でなければなりません。

 全社最適の視点で取り組む際に欠かせないのが、CMOへの権限付与あるいは権限を付与したCMOの設置・任命です。役員であるCMOが、その他のCクラスの役員と連携し、全社あげてのマーケティング並びに、一貫した顧客体験の提供を推進できる権限を手に入れる必要があります。たとえばデジタルマーケティングの観点から、これまでとは異なる人材の採用が必要となったとしても、人事部門の最高責任者と対等な立場で協議や交渉ができなければ改革は進まないでしょう。第3回で紹介したとおり日本にはマーケティング部門の地位が低い企業が少なくないため、他事業部の執行役員と対等に渡り合える力を持ったCMOを作ることが、今の日本企業において必要なのです。

CMOは責任も持ち、コラボレーションを推進

 CMOが権限を持ち、全社的な存在感を高めるためには、同時に経営へのコミットも深めることが欠かせません。権限だけもらって責任は持たないということであれば、説得力もなく全社の協力も得られないでしょう。売上高といった事業KGIに対してマーケティングのKPIがどう寄与するのか、どれくらい連携しているのかを可視化し、マーケティング領域における活動の透明性を高める努力が必要です。単なる説明責任から、結果責任へのシフトが今後ますます重要になると考えます。

 経営への関与を高めることで、他のCクラス役員とのコラボレーションが生まれます。ここでいうコラボレーションとは、Cクラス同士の単なるコミュニケーションではありません。情報共有の枠を超えて、マーケティング改革につながる共通のミッションをCMOが推進し、他部門の執行役員を率先してまとめ上げるオーケストレーションに近い役割を果たすべきなのです。

 さて、全4回にわたり調査リポートをもとに、「コラボレーション主導型CMO」という新しい役割の重要性について紹介してまいりました。

 日本企業が、コラボレーション主導型CMOを推進していくためには、チャネルと部門で断絶される企業内のマーケティング~セールス活動を、経営のKPIとつなげ、一貫性を保ちながら持続的な売上拡大に直接寄与するスキームを構築することが欠かせません。

 日本のマーケターの皆様がマーケティング環境の変化を転機として捉え、こうした方針転換を進めていくことを期待するとともに、アクセンチュア インタラクティブとしてもそうした取り組みを全面的に支えていきたいと考えています。

望月 良太(もちづき・りょうた)
アクセンチュア株式会社 デジタル コンサルティング本部 アクセンチュア インタラクティブ マーケティング サービス グループ統括マネジング・ディレクター
アクセンチュア インタラクティブで、マーケティング領域のビジネスを統括。チャネルや部門で断絶されるマーケティング活動を、経営のKGIとつなげお客様のビジネスパフォーマンス向上に直接寄与する本質的な総合マーケティング支援サービス「Unified Marketing&Sales」を提供している。デジタルマーケティング活動に関わる戦略立案から施策実行、組織変革、プロセス設計、プラットフォーム構築までを一貫して支援し、コラボレーション主導型CMOの推進に取り組んでいる。

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