変革のカギを握る「コラボレーション主導型CMO」とは

CMOの再定義で見えてきた「オーケストレーション」の重要性 アクセンチュア インタラクティブ マネジング・ディレクター 望月 良太

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 第3回ではアクセンチュアの調査を日本企業の現状に照らし合わせ、デジタルマーケティングが進展しない構造的な問題について解説しました。最終回は、こうした課題を踏まえ、日本におけるCMOの役割はどうあるべきかについて解説します。

日本企業のマーケティングに求められる全社最適の視点

 第3回で指摘したように、日本企業のマーケティングに求められているのは、全社最適化の視点で、組織、業務プロセス、システムそれぞれの在り方を考えることです。「マーケティング=広告・宣伝」という狭い定義を捨て去り、「全社運動としてのマーケティング」を導入すべき時が来ています。例えば第3回でご紹介したデジタル人材が育たないという構造的な問題に対しては、人材の育成・配置といった組織作りを根本から見直す必要があります。これは事業部だけが取り組む問題ではなく、人事部を巻き込み会社組織全体で改革すべきです。

 マーケティングや広告というと、ついアウトプットのクオリティーを向上させることだけを考えがちですが、一見遠回りに見える「デジタルに精通した組織の整備」も、実はアウトプットに大きく影響する可能性があります。広告代理店やコンサルティング会社は、同等の知識やスキルを持つ担当者が相手の場合、デジタル広告の基礎的な解説や、その前提となるテクノロジーの説明に時間を割くことなく、高度な提案、新しい提案、およびその実行に注力できるようになるからです。

 第3回では「事業部単位の縦割りによる個別最適化の弊害」という構造的な問題も紹介しました。全社としてKGI(重要目標達成指標)/KPI(重要業績評価指標)の設定・管理を行い、それに沿った評価制度を導入することができれば、事業部が互いに協力し合い会社全体を挙げた目的達成が可能になるはずです。

 また、「自社の顧客データを活用するためのシステム改修が進まない」という課題も紹介しました。これを解決するためには、マーケティング関連部署、事業部と情報システム部の間で、改修するシステムの重要性を協議・合意し、他の案件との優先度も鑑みながら、抜本的な改修をシステム更改のスケジュールに組み込んでいくことが必要です。

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