変革のカギを握る「コラボレーション主導型CMO」とは

コラボレーション主導型CMOが担う四つのミッション アイ・エム・ジェイ 執行役員 山本 崇博

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組織をつなげる仕組みづくりとは?

 では、具体的に「コラボレーション」を推進するためには、どのようなことが必要なのでしょうか?

 調査リポートの中では、大事なこととして特に以下の二つが挙げられています。

・自社の顧客体験戦略を社員にまで浸透させ、社員のエンゲージメントを高めること

・全社的に顧客体験を追求できるよう、社内の部門を横断して連携すること

 ただし、これら二つは、既存の会社組織のまま実現できるとは限りません。

 この二つを重要だと答えたマーケティングの意思決定を行う上級役職者(以下、「コラボレーション主導型CMO」と呼びます)の特徴を探っていくと、以下のようなチームを組成していることが多いということがわかりました。

・プロジェクト(課題)ベースで、アジャイルに各事業部からクロスアサインされたプロジェクトチーム

・個々の組織が顧客体験を推進できるようにサポートするチーム

・各事業部への顧客課題を提示しながら、新しい文化を浸透させ、全社員の意識向上・顧客体験提供を積極的に図ることをミッションにした専門性の高いチーム

 コラボレーション主導型CMOにとっては、コラボレーションを推進するための組織設計も重要なミッションとなっていると言えます。

顧客体験の向上は競合優位性を生むのか?

 コラボレーションを推進していくと、企業の中に主に以下三つの変化が生まれてくることが今回の調査でわかりました。

・各組織に、企業全体でコラボレーションしようという意識が出来上がってくる

・実際の課題に対して、アジャイルチームやクロスファンクショナルチームが作られてくる

・一貫した顧客体験の提供に必要なマーケティングオペレーション(テクノロジーを含む)戦略を描き、推進できてくる

 社員の意識向上から始まり、コラボレーションを推進するチームを作っていく中で、同じ課題を持った組織が自然と課題解決型のプロジェクトチームを事業部横断で作り出すことは、一朝一夕でできることではありませんが、大きい組織になればなるほど、重要になっています。

 コラボレーション主導型CMOには、顧客の課題を俯瞰(ふかん)的に把握して、各組織を有機的につなぎあわせ、課題を解決していく仕掛けづくりが求められるのです。

人材不足をどう補うか?

 このようなコラボレーションを実現するためには、その推進者および支える人材に、従来以上に総合的なスキルが必要とされます。それが以下です。

・新しいスキルを持った人材の採用

・各領域で尖ったトップ人材の最適配置

・既存の人材のトレーニング、再配置

 特に、社内のスキル不足が最も顕著なのはテクノロジーとクリエイティブでしょう。これらは現在、外部パートナーの活用によって補完していることが多い状況です。これは、日本企業における新卒一括採用や、ジョブローテーション制度を考えると悩ましい課題です。

 そういった中で、推進役となる人材の登用を決め、内製化で進めるか、外部パートナーの活用で進めるのか、さらには、外部パートナーを活用する場合も限定的に活用するか、包括的パートナーシップで推進するかは、企業の重要な判断になってきます。

 この点については、次回以降にもう少し詳しく述べます。

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