「令和」の国際企業戦略を分析する

日本に「GAFA」が生まれる3条件 田中道昭・立教大学ビジネススクール教授に聞く(1)

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 米国の巨大IT(情報技術)企業「GAFA」(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)の動きが、今日のグローバル経済に決定的な影響を与えている。これに続くのが「BATH」(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)と呼ばれる中国4社だ。立教大学ビジネススクールの田中道昭教授は、独自の分析手法を駆使して、世界のメガテック8社に共通する強さの原点を解き明かした。自らもコンサルタント会社を経営する田中教授の分析は、「令和」における日本企業の国際戦略に大きなヒントとなりそうだ。

■プラットフォーム志向のメガテック8社

 ――「GAFA」「BATH」は最新技術の方向性や、国際マーケットの動向も左右します。もはやメガテック8社の影響を受けない個人も国家も存在しないとさえ言えそうです。

 「この8社に共通するのはプラットフォーム志向であることです。プラットフォーマーは、ビジネスや情報配信なので基盤とするなる製品、サービス、システムを第三者に提供する事業者で、8社は今後のグローバルビジネスにおける最重要の部分を担っているのです」

 「さらにビッグデータと人工知能(AI)を組み合わせた技術志向であること、それぞれの分野でデジタルトランスフォーメーション(デジタル改革)を先導していることでも共通しています。当初は米国企業が先駆者利益を確保し、模倣する形で中国企業が展開していました。しかし現在では中国側が独自でイノベーションを起こしています」

 ――ただ、AI技術の方向性などでも8社は規模が巨大で、全体像の把握は難しくなっています。

 「『5ファクターメソッド』と呼ぶ手法で分析しました。古代中国の戦略家・孫子の兵法をアレンジして、『道・天・地・将・法』の要素に分類し、現代マネジメントの視点から再構築します。企業をさまざまな角度からマクロ・ミクロ両面でチェックすることでメガテック8社のように事業領域が広くても全体像と部分を把握しやすくなります」

 「『道』は特に重要な企業ミッションを含むグランドデザインを指します。『天』は外部環境を踏まえたタイミング戦略を、『地』は業界構造や競争優位性、立地戦略などを示します。『将』と『法』は企業戦略を実行に移す際の両輪で、リーダーシップ、マネジメントの関係にあたります。ひと対ひとのコミュニケーションでモチベーションを引き上げて組織を動かすのがリーダーシップであり、仕組みで効果を生み出すのがマネジメントという違いがあります」

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