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インドネシアでマスクを売れ! 学生発イスラムマーケティング 明治大学インターンシップ報告

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 私たちは明治大学のインターンシップ&グローバルキャリアプログラムに参加したチームRotiです。このプログラムは、インドネシアに展開する日本の日用品メーカー、大王製紙のインターンシップで、「インドネシアでイスラムマーケティングを実感し、エリエール製品を拡張させろ!」というミッションのもと、インドネシア国内にどうやって日用品を普及させるか?という商品マーケティング案を作り上げます。

 昨年末から今年2月にかけて国内で準備を進め、2月中旬にインドネシア・ジャカルタに9日間滞在しインドネシア人学生と現地調査を実施してマーケティング戦略の立案とプレゼンテーションを行いました。同じくこのプログラムに参加した他の4チームと社長賞をかけて競いました。

 Rotiは鈴木佳裕、山口加葉、蔭平萌恵、江口綾音、稲葉光の日本人学生5人とザーラ、カニャのインドネシア人学生2人の計7人です。今では家族のように仲良しの7人も、最初はお互いの事を全く知りません。そんな国籍も学年もバラバラの彼らですが、初めての顔合わせの日は波乱の幕開けでした。

 国内で、まず取りかかったのが商品選びです。何がインドネシアで売れるのだろう?各自調べてきたことを出し合い、商品をマスク、汗拭きシートの2つに絞りました。しかし、それが本当にマーケティングをして売るのにふさわしい商品なのか?根拠が薄いと思いました。

SNS駆使し国内外でアンケート

 そこで私たちはインドネシア人を対象にアンケートを実施することにしました。英語版と日本語版を作り、インドネシアに在住している方や留学経験のある方にアンケートに答えていただきました。フェイスブック(Facebook)などのSNSを通じて友人のそのまた友人というように呼びかけて拡散させました。ライン(LINE)のトーク履歴やフェイスブックの友達一覧にはインドネシアの方でたくさんになりました。日本にいながら、1週間で約120件のアンケート数を得ることができました。その結果、私たちはマスクのインドネシア展開に可能性を感じたのです。

 アンケートでマスクの着用状況を調査したところ、最もマスクの需要が高い、と考えられる場面は、「バイクに乗るとき」でした。そのとき、私たちの頭に浮かんだのはインドネシアで急成長しているバイクタクシーの配車企業ゴジェック(Go-Jek)でした。

 「ゴジェックにマスクを売ることができたら、インドネシア全体にマスクを普及させられる」

 このアイデアをもとに、自信を持ってマスクを提案することに決めました。大王製紙様の本社に訪問して、マーケティング案のプレゼンテーションを2回行いました。1回目のプレゼンで自信をもって推したマスクに決定。しかし、2回目ではゴジェックと連携するアイデアは評価されたものの、ゴジェック利用者だけでは対象が広すぎるとの指摘を受けました。「ターゲットをもっと絞って明確にしないと。どこで?いくらで?どのように売っていくのかというマーケティングの方針が決められない。」ということでした。

 こうした指摘を受け、私たちは2つのことに取り組みました。1つは、これまで提言してきたゴジェック利用者について深く具体的に調べること。もう1つは、いったんゴジェックを頭から抜いてまっさらな状態で、ターゲットについて1から話し合いをすること。これは、ゴジェックという案に頼りすぎていたのではないかという反省からでした。

 まず、ゴジェック利用者から離れて新しいターゲットを決めることから始めました。それまでゴジェック利用者のことばかり考えてきた私たちにとって、これはとても難しいことでした。そんな中、マスクを日焼け対策として使っている女性がいるという意見を聞き取り調査で手にいれることができました。「新しいマスク需要が見つかるかもしれない!」そんな期待とともに、美容に気を付けている女性をターゲットにする案が決まりました。

 しかしそこで問題になったのが、ゴジェック利用者の案をどうするかということでした。ゴジェックの利用者についてインターネットでいくら調べても具体的な数値を得られることはできないのです。あれだけ時間をかけたゴジェックの案なしで、ゼロからターゲットを女性にシフトするのかしないのか……。

 話し合いの末、やはりゴジェックの案を捨てきれず、商品選定の段階から私たちがやって来たことを最初から見直すことにしました。

客観データでターゲットを女性に

 突破口になったのは最初に商品選定をする際に約120人の方にアンケートで聞いた「普段バイクに乗りますか」という質問でした。この質問の結果を女性のみにして集計し直したところ、バイクに乗る女性は7割近くにのぼりました。「これは、使える」とチーム全員が思いました。バイクに乗る女性はそんなにいないだろうという、現地の事情を知らない日本人の固定概念にとらわれていたことに気づかされました。

 女性をターゲットに、プロモーションの一環としてゴジェックを利用する――。私たちの方向性が決まったのは渡航1週間前でした。

 2月15日。ついにインドネシア・ジャカルタに到着です。不安を抱えながらも、Roti全員の胸は高鳴っていました。数日後、インドネシア大学の学生2人、カニャとザーラと合流しました。これからは日本人学生5人を含めた7人で活動します。

 現地でもアンケートを実施します。選んだ場所はイオンモールとインドネシア大学。アンケートで重視したのは「量より質」。より現地の消費者に寄り添うためです。

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