友人にも広がるメンバーの輪
次に、核家族の外の存在として、友人との関係についてのデータもみてみましょう。「自分の親しい友人は家族のようなものだと思う」(図表5―5)と答えた人は、1998年を底としてその後増加しています。また、「友人と家族ぐるみのつきあいをしている」(図表5―6)は2018年のデータだけですが、夫39.7%、妻48.7%です。家族の範疇に友人までも入れるという人は、絶対値としてはまだ多数派とはいえませんが、増えるトレンドにあります。今後、家族の概念を血縁とは無関係なものへと広げる可能性のある動きです。
家族は、多様なメンバーが出入りする開かれた集団に
親族や友人との関係変化、「家族のオープン化」の潮流をみてきました。平成に入って人びとは家族を外に開く方向へと舵をきりました。家族は、同居か否か、血縁者か否かを問わずメンバーを受け入れ、時と場合によりサイズや質が変わる緩やかな集団になろうとしています。
(おわり)
博報堂生活総合研究所 著 『生活者の平成30年史 データでよむ価値観の変化』(日本経済新聞出版社、2019年)、「第4章 属性別にみる変化―(1)家族30年変化」から
博報堂生活総合研究所 https://seikatsusoken.jp/
1981年、「生活者発想」を標榜・実践する博報堂のフラッグシップ機関として設立。人を消費者だけにとどまらない多面的な存在:「生活者」として捉え、独自の視点と手法で研究している世界でも類を見ないシンクタンク。主な活動は、生活者の変化を長期にわたって追う時系列調査や、生活者と暮らしの未来の予見・洞察など。その成果は、書籍はもちろん発表イベントやWEB サイトを通じて、広く社会に発信している。
1981年、「生活者発想」を標榜・実践する博報堂のフラッグシップ機関として設立。人を消費者だけにとどまらない多面的な存在:「生活者」として捉え、独自の視点と手法で研究している世界でも類を見ないシンクタンク。主な活動は、生活者の変化を長期にわたって追う時系列調査や、生活者と暮らしの未来の予見・洞察など。その成果は、書籍はもちろん発表イベントやWEB サイトを通じて、広く社会に発信している。
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