長島聡の「和ノベーションで行こう!」

技術者の突き抜けた発想を大企業に持ち込む 第25回 Shiftall 岩佐琢磨・代表取締役CEO

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OEMまかせや先走りすぎると失敗

長島 シフトールやセレボで、これまでどんな製品を手がけてきましたか。

岩佐 セレボの時にLiveShell(ライブシェル)という商品を作りました。ビデオカメラで対談イベントを撮ってインターネットでライブで流そうというものです。2010年くらいからの時流をとらえたし、いい意味でニッチだったこともあって、企業内個人のお客さんに買ってもらいました。10万円以下なので、研究部門の予算で変えたのも大きかったと思います。ほかにはDOMINATOR(ドミネーター)という銃のおもちゃをつくったら、驚くほど話題にしていただきました。9万円の大人向けの銃のおもちゃが出た、という点でニュースになりました。面白かったのは、女性のユーザーも非常に多かったことです。銃のおもちゃはマーケティングから入っていくと男児向けだ、1万数千円から、みたいになります。9万円の銃、しかも女性にも人気があるという吹っ飛んだ商品だったので、発売前の予約だけで事業計画上の損益分岐点を超えていました。

 シフトールになってからは今年発表したDrinkShift(ドリンクシフト)という、クラフトビールを途切れず補充し続ける冷蔵庫があります。あと、パナソニックと一緒にWEAR SPACE(ウエアスペース)という、ウェアラブルデバイスを作りました。耳から入る外界の音を抑えて、物理的な視界を60%以上さえぎることで、グッと集中できるようになります。パナソニックグループが企画・開発した製品としては初めてのクラウドファウンディングでした。

長島 逆に、うまくいかなかった製品はありましたか。

岩佐 そういうのがいっぱいあります。その共通要因は結構あって、1つ目はOEM(相手先ブランドによる生産)にまかせてしまったような商品では、トレンドにのってやってみよう、というのは大失敗しました。OEMベンダーは金太郎あめ的なものを作るには向いているけど、私たちには向かないと思いました。

 あとは、3歩先、4歩先見て作ったものは失敗していますね。私たちは2世代先ぐらいに思ったけれども、現実は3世代、4世代先だったということでしょうか。それと、販売チャネルのことをよく考えないで失敗した事例もあります。意外とカメラは販路に保守的な人が多いとか、そういう販路の情報感度が違って、それを読み違えて失敗したものもありました。

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