長島聡の「和ノベーションで行こう!」

技術者の突き抜けた発想を大企業に持ち込む 第25回 Shiftall 岩佐琢磨・代表取締役CEO

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 日本型のイノベーション=「和ノベーション」を実現していくには何が必要か。ドイツ系戦略コンサルティングファーム、ローランド・ベルガーの長島聡社長が、圧倒的な熱量を持って未来に挑む担い手たちを紹介していくシリーズ。第25回はデジタル機器開発を手がけるShiftall(シフトール)の岩佐琢磨代表取締役CEOです。

1分野で100点より、幅広く合格点とる

長島 最初の出会いで東京・日本橋にあるシフトールのオフィスにうかがいました。面白い感じのオフィスでしたね。まず、シフトールの立ち上げと、現在の業務内容を教えてください。

岩佐 まだ事業内容もミッションも定まってないというのが正直なところです。今 の立場はパナソニックのグループ会社という位置づけです。私たちはアジャイル・マニュファクチャリングと呼んでいますが、とにかく迅速に商品を作って市場に小ロットで投入して事業判断する、というスタイルです。求められているけれども、大半の大手製造業ではできていないことで、パナソニックでできそうな人・チームを持ってきて、そこから考えよう、という形でスタートをしました。

 アジャイル・マスプロダクションという文化を大企業側に伝えることが成立当初の目的です。事業としては製品を世に送り出すことですが、我々のミッションはカルチャーを浸透させることになります。

 具体的には、1つ目は自社独自のIoTビジネスを生んで、株主やパナソニックの人達が見て、こんなのができるの、じゃあ一緒にやろう、売り出そう、というイメージです。

 もう1つは、大企業の中でIoTビジネスを生みだそうともがいている人達を助けていくという部分です。

長島 そのチームを構成する要素は基本は人だと思うのですが、どのような人材の多様性が必要になるのですか。

岩佐 多様性はあまり重視していませんでした。それより我々が重視しているのが、1人でいくつものことをできる人材です。例えばテレビの開発ですと、電源回路だけを十何年やっています、アンテナ設計一筋十何年みたいな感じの人が結構います。一方、IoTは非常に広い職能の人を組み合わせないとビジネスができないので、アンテナ一筋10年の人に比べると、うちの電気エンジニアの知見は低いですが、逆に、あれもこれもできるという、垂直統合型電気エンジニアを求めています。特定分野で100点というより、10個ある分野を全て70点、65点、合格点をちゃんと取れるメンバーです。

 シフトールは実は属人的な会社で、複雑なIoT製品でも、4人から7人ぐらいで1製品をつくるというような非常に小規模のチームでやっています。例えば4人でやっていると、個のカラーが強く出過ぎて、そこが肝になってくるので、やはり隣の人と仲良くやるところを重視しています。大きい会社ではチームの人数も多く、職種が違うとコミュニケーションがうまく取れないこともあります。電気とソフトとか、自動車だとシャシーとエンジンとか。ただ、1人1人で会ってみると、違う職種のチームのことを思いやって仕事ができます。そのためには、相手の職種の知識が必要です。そういういい意味で隣の芝生を侵食していくようなスキルセットの人が育っていくチームを目指しています。

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