ビジネス書の目利きが選ぶ今月の3冊

「稲盛イズム」を知る3冊 Part2 橋本忠明・「TOP POINT」編集長

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 現場の経営者が、現在最も関心を寄せている経営者が、京セラ創業者の稲盛和夫氏だ。今年1月の「『稲盛イズム」』のエッセンスを知る3冊」は、多くの読者の関心を集めた。稲盛氏の人生論、生き方論を紹介した前回に続き、今月はさらに稲盛哲学の経営面を知るために不可欠な3冊を紹介する。

「稲盛和夫の実学」(日本経済新聞社)

 ――本書ではまず「「私は27歳の時に京セラを創業し、ゼロから経営を学んでいく過程で、会計は『現代経営の中枢』をなすものであると考えるようになった」と述べています。

 「続けて『真剣に経営に取り組もうとするなら、経営に関する数字は、すべていかなる操作も加えられない経営の実態をあらわす唯一の真実を示すものでなければならない』としています。 稲盛氏の経営に対する強烈な真剣さ、思いが伝わって来る言葉です。この言葉の通り、稲盛氏が自らの経験に根ざす経営のための会計学を説いたのが本書です」

 ――『経営のための会計学』の基本原則を7つ上げていますね。

 「第1はお金の動きに焦点を当て、キャッシュをベースにした経営判断を行い、激変する経営環境に対応する『キャッシュベース経営の原則』です。以下、

 (2)『1対1対応の原則』モノやお金と伝票が動く際は、必ず「1対1の対応」を保つようにする。伝票だけ先に処理して品物は後で届ける、あるいはその逆は避ける。

 (3)『筋肉質経営の原則』過剰な設備投資はせず、ぜい肉のない筋肉質の企業を目指す。

 (4)『完璧主義の原則』あいまいさや妥協を許すことなく、あらゆる仕事を細部にわたって完璧に仕上げることを目指す。

 (5)『ダブルチェックの原則』資材品の受け取り、売掛金の回収で複数の人間や部署がチェックし合う仕組みを作る。

 (6)『採算向上の原則』売り上げを増やすと同時に、製品やサービスの付加価値を高める。

 (7)『ガラス張り経営の原則』社員との信頼関係に基づく経営を心がけ、会社の状況を包み隠さず社員に伝える――と述べています」

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