生活者の平成30年史 データで読む価値観の変化

平成は家族の「標準」なくなる、離婚が婚姻の3分の1にも 博報堂生活総合研究所

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・「家族の収入が増えていくこと」が当たり前ではなくなった

 図表2―1でご覧いただいたように、「世帯給与月収(実質値)」は1997年をピークに減少に転じ、現在も伸び悩んでいます。しかも、年功序列的な賃金制度が崩れたことで、長く勤めても以前ほどには収入が伸びない「給与カーブのフラット化」と呼ばれる状況が年々進みました(図表3―2)。そのため、結婚して子どもが生まれ家族が増えるとともに、収入も十分に上昇していくという期待を、以前ほど強く持つことはできなくなったのです。

・「男は仕事、女は家事を担うこと」が当たり前ではなくなった

 男性サラリーマンが世帯全員分の収入を稼ぎ、女性が専業主婦として家庭を支えるという、男女別の役割モデルは高度成長期に形成されました。しかし、1980年代には「共働き世帯」が増加し、1990年代には「専業主婦世帯」の数を逆転。現在では世帯数で前者が後者の2倍近くとなっています(図表2―3)。

 また、図表3―3のように、国も法整備を通じて、仕事の場での男女平等を推し進めてきました。さらには「イクメンプロジェクト」など、男性の家事・育児参加の推進活動も行われています。

 これらの動きは、「夫/妻の役割はかくあるべし」という従来の規範が揺らいでいるということでもあります。そのことが人びとに自由をもたらす一方で、戸惑いを抱かせるという側面もあるはずです。

 ここまでみてきたように、平成とは家族のモデル(標準形)がなくなった30年でした。目指すべきモデルがなくなったことで、家族のあり方は生活者が各自でつくる(つくらざるをえない)環境になったのです。

(つづく)

博報堂生活総合研究所 著 『生活者の平成30年史 データでよむ価値観の変化』(日本経済新聞出版社、2019年)、「第4章 属性別にみる変化―(1)家族30年変化」から
博報堂生活総合研究所 https://seikatsusoken.jp/

1981年、「生活者発想」を標榜・実践する博報堂のフラッグシップ機関として設立。人を消費者だけにとどまらない多面的な存在:「生活者」として捉え、独自の視点と手法で研究している世界でも類を見ないシンクタンク。主な活動は、生活者の変化を長期にわたって追う時系列調査や、生活者と暮らしの未来の予見・洞察など。その成果は、書籍はもちろん発表イベントやWEB サイトを通じて、広く社会に発信している。

キーワード:経営層、管理職、プレーヤー、経営・企画、営業、経営、マーケティング

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