生活者の平成30年史 データで読む価値観の変化

平成は家族の「標準」なくなる、離婚が婚姻の3分の1にも 博報堂生活総合研究所

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 人口の激減、急速に進んだ少子高齢化、最多となるひとり暮らし――この連載では『生活者の平成30年史』(博報堂生活総合研究所 著)の抜粋によって、平成30年間の生活者の意識や行動、価値観の変化を振り返ります。第3回からは、「家族」という属性について生活者の長期変化をみていきます。

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平成の家族の肖像

 戦後日本の家族のありようは、親子による「世代継承」を軸とした大家族が、「夫婦」を軸とする核家族化を経て、家族でありつつも「自分」を軸とする個人化の流れで進んできました。この先にあるのは「家族の解体」ではないか――1980年代になると、そんな言説すら見受けられるようになります。

 そんななか、生活総研が家族をテーマとする調査を初めて実施したのは、平成前夜の1988年――バブルの真っ盛りの頃です。そこから生活総研は10年ごと30年間に亘る長期時系列調査を行ってきました。この平成の家族の肖像ともいえる記録は、どんな表情を浮かべているでしょうか。

 一連の調査の対象者は、妻の年齢が20~59歳の夫婦が同居する世帯(首都圏630世帯、夫・妻 各630人)です。調査の最大の特徴は、同世帯の夫と妻それぞれに同じ質問を投げかけて反応のギャップをみるという調査手法にあります。

 また、2018年の『家族調査』の対象者の一部には、家庭訪問インタビューも行いました。こうした一連の調査からは、夫と妻のパワーバランスの変化に加えて、そこに生まれつつある新しい暮らし方と家族像がみえてきました。

家族のモデルがなくなった平成

 家族は「社会の最小単位」ともいわれ、連載第1~2回で論じたような社会全体で起こる変動の影響を強く受けてきました。家族にとってかつて「当たり前」だったことが、この平成30年間にそうではなくなったことがいくつもあります。生活総研の『家族調査』の結果をご紹介する前に、まずは政府機関などが発表しているマクロ統計を中心に、家族のあり方をめぐる社会環境変化を3つ確認していきます。

・「誰もが家族を持つこと」が当たり前ではなくなった

 第1回でみたように「生涯未婚率」は上がり続けており、男性では23.4%に達しています(図表1―6)。また、図表3―1に示すように、近年の「離婚件数」は「婚姻件数」の3分の1ほどになっています。つまり、今や結婚しないことも人生の選択肢のひとつですし、たとえ結婚したとしても、その関係は絶対的なものではなくなったのです。

 このような環境のなか、「家族類型別の世帯数割合」(図表1―4)でも、「単独世帯」が全体の3分の1以上を占めるまでに増え、かつて最多だった「夫婦と子どもの世帯」は減り続けています。

 ともに暮らす家族を持つことは、もはや誰にとっても当たり前というわけではなくなったのです。

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