デジタルトランスフォーメーションへの道

ミツウロコグループ、IoT活用でLPガス配送業務効率化へ(下)

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 ミツウロコグループは、あらゆるモノがネットにつながるIoTの技術を駆使して、LPガスの検針や配送といった業務の効率化を進めている。記事の後半では、プロジェクトの全体像や成果について、ミツウロコクリエイティブソリューションズ(以下、ミツウロコCS)の永沼敬氏(取締役 ミツウロコ事務センター長 兼 遠隔指針情報取得・利用事業推進プロジェクト担当)とミツウロコCSの高橋潤氏(グループシステム推進部 副部長 企画チーム担当 兼 遠隔指針情報取得・利用事業推進プロジェクト担当)に聞いた。

ガスメーターの検針からガス容器の配送まで効率化を三つのサービスで実現へ

 プロジェクトでは大きく分けて、(1)メーター指針情報の自動収集(検針業務の効率化)、(2)日次で取得するメーター指針情報を活用した配送システムの提供(配送回数の効率化)、(3)最適な配送指示を行う配送効率化システムの提供(配送業務の総合的な効率化)――という三つのサービスを開発して、LPガス販売事業者などへ提供する。

 まず、2019年4月に(1)のサービスについて提供を実現する。消費者宅などに設置したLPガスメーターにNECの「LPWA(ロー・パワー・ワイド・エリア)対応IoT無線化ユニット」を取り付け、日次でメーター指針情報を取得するもので、ミツウロコCSがサービス全体の管理を担う。無線化ユニットの電源は1日に一度メーターの情報を送信するときにのみに利用するため、メーターの交換時まで電池切れを起こさないという。販売事業者は日付を指定してメーターの指針情報を得られるため、検針で消費者宅を訪問する必要はなくなる。

 (2)のサービスでは、(1)で得られる日次のメーター指針情報を活用して、LPガス容器(ボンベ)の最適な配送計画を毎日策定するシステムを提供する。人手による月次の検針データをもとにした予測では季節変動要因などは加味するものの、使用状況の急激な変化や不定期な利用については予測できない。それに対して(2)では「容器内のガスがなくなるギリギリのタイミングで配送することが可能になります」と高橋氏は語る。

 このサービスを実現する配送計画システムは新たに開発した。「日次で収集するデータに対応した新システムが必要になりました。無線通信で収集した日次のデータを活用する配送計画の技術については特許登録済みです」(永沼氏)。

 (2)については愛知県名古屋市の周辺で、2018年9月から12カ月にわたる実証実験を行っている。配送対象が数千軒に及ぶ本格的なもので、ミツウロコCSが、グループのエネルギー事業会社ミツウロコヴェッセル、地域の販売事業者であるミツウロコヴェッセル中部、配送事業者のロジトライ中部などと協力して効果を測定している。

 さらに提供を計画しているのが、(3)である。ガス容器の配送について、どの消費者宅へどのルートでいつ配送するのか、最適な配送計画を自動的につくり、配送員に指示を出すものでシステムは開発中。人工知能(AI)の技術を活用しており、稼働人員数・トラック積載量も踏まえて、最適化した日程とルートを自動設定する。

 「お客様によっては、ガス容器の交換時に立ち会いが必要である、玄関に犬がいるので配送時にあらかじめ犬を室内にいれていただくといった、きめ細かな約束事があり、知らずに配送するとクレームになることがあります。そこで、こうした情報も含め『今日のあなた(配送員)の仕事は、どこにどのルートで運ぶこと』と携帯端末経由で指示を出すことで、効率的で適切な配送ができるようにします」(高橋氏)。

 (3)のサービスに活用するシステムの開発では、LPガス業界向けの業務システムを開発するエナジー・ソリューションズと協力している。無線通信で得られた日次の検針データを使い、夜間に翌日の配達先を基にした配送員ごとの配達ルートをAIによって計算。翌朝には、配送員の携帯端末に業務の指示や配送ルートのナビゲーション情報を送る。

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