長島聡の「和ノベーションで行こう!」

東芝はプラットフォーマーとして生き残る 第24回 東芝 島田太郎・コーポレートデジタル事業責任者

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

共通概念を打ち立てて知恵を集める

長島 人の能力や視野が広がりそうですね。

島田 そうですね。ユーザーエクスペリエンスで劇的に変わる可能性があります。モノはコネクトすると劇的に変わるというのは皆分かっているのですが、どうやって問題を解決したらいいのかがはっきりしていないだけです。アップグレードではなく、アップデートするという考えをとると、モジュラー化して自分でコネクトできる仕組みはアップデートにすごく向いていると思います。

長島 このやり方だと人が頭を使い続けてくれそうですね。人の教育・育成で言うと、標準化は難しかったところがあったと思います。これから東芝の人材をどういうふうに進化・変化させようとしていますか。

島田 私は共通概念をまず打ち立てることをやっています。最初に、例えばデジタル化の定義はこうです、と作りました。これは社内で「みんなのDX(デジタル・トランスフォーメーション)」と呼んでいます。東芝ではこれまで、「みんなのデザイン」という社内の取り組みがありました。これはデザイン・シンキングで、機器でも何でも最初に一緒につくり込みましょう。お客様に提案をする際にも、エクスペリエンスを感じられるような提案をしていこうということです。同じことを「みんなのDX」でもやって、自分の差別化できることは何か、DXとは何かと定義します。DX以外のものは、DE(デジタルエ・エボリューション)としました。DXは基本的にはプラットフォーマーになることで、レイヤースタックができます。DEはバリューチェーン網をデジタル化していくことを指しています。バリューチェーンをデジタル化すると効率がよくなって売り上げが下がります。頑張れば頑張るほど、売り上げが小さくなってしまいます。

 自分達の取り組む範囲を変えるか、プラットフォーマー化してもうける先をずらすか、どちらかを選ぶ必要があります。例えばグーグルモデルですと、ユーザーには無料で配って違うところから利益を持ってきます。これはプラットフォーマー・シンキングです。それに対して、バリューチェーンだと、バリューチェーンが困っている人達の仕事を肩代わりしてあげるなど、仕事の範囲の再定義が必要です。

 DXでビジネスモデルのアイデアを募集し、80件以上集まりました。詰まったアイデアを選んで、この領域はやりましょうと進めているところです。DEをやる際にも、DXを見据えたDEというのがあります。独りよがりでなく、長期的なプランのもとに自分達の範囲を広げるとか、あえてやらないなどといった判断です。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。