長島聡の「和ノベーションで行こう!」

東芝はプラットフォーマーとして生き残る 第24回 東芝 島田太郎・コーポレートデジタル事業責任者

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スイッチや冷蔵庫から行動データ集める

長島 工業のことについて話し合う際、共通意識を合わせていく説明ですね。

島田 最初にお話しした概念的なもので、システムを作って整理する方法として優れていると思います。例えば製品をサービス化させるとデータが出てきます。このデータをプラットフォームで稼働させつつ、デジタルサービスであるエッジのところでコントロールします。一方のエンタープライズサービスはビジネスサービスで、業種ごとに様々なマイクロサービスに落とし込めます。エッジであるサイバー空間と、実際の人間が関わるサービスとなるエンタープライズサービスの両面をつなぐことを、ロジカルにしていく取り組みです。こうするメリットは、ものごとをプラットフォーム化したり、再利用性を高めたりということなので、インダストリー4.0でやりたいことの1つだと思います。

 その上で、日本としてどうするのか。世界で見ると、日本対ドイツの戦いというより、日本・ドイツ対それ以外の国と見ています。もうかっている企業はサイバー空間での仕事で稼いでいる企業が多い。人からデータを提出してもらって集める手法は限界にきています。限界を超えるには、今までのメディアやコンピューターに頼らない方法でデータを取ることが重要になっています。例えばAIスピーカーなどです。私はそうでなくて、普段使っている電気のスイッチやテレビ、冷蔵庫などからデータを集めたいと考えます。業界用語でデイリー・アクティブ・ユーザーと言いますが、これをつなげて価値あるデータをとろうと。日本はセンサーなどの分野、基礎的な技術を含めて強みを持っているからです。

長島 電気や冷蔵庫から深みのある行動データを使う、というのは具体的にどういうことでしょう。

島田 今、東芝で社内向けに、データにはシステムのデータ、モノのデータ、人のデータがあり、一番もうかるのは人の行動に関するデータだと説明しています。人のデータも2種類あって、購買行動に関するデータと、健康に関するデータです。グーグルは両方に取り組んでいますが、こうしたデータを普段の行動から取ることができれば、非常に価値があるものになります。

 健康データは何時間働いたか、誰とミーティングしたかというものだけでなく、ストレスレベルがあります。実は企業内には、あの人は転勤になりましたとか、この人はストレスレベルが上がっていますといったデータが蓄積されています。東芝は東北大学との連携により、鏡を見た人の脈拍がわかる技術があるので、それと組み合わせることも可能です。

長島 面白いですね。出退勤やストレスなどのデータを組み合わせるのですね。

島田 それがプラットフォームということです。それを使ったマネタイズムは難しいですが、データをアグリゲーションして提供するだけでも商売になると思います。マネタイズが簡単なのは、むしろ購買情報です。東芝テックのPOS(販売時点情報管理)には誰が何を買ったかという情報が膨大に入っています。グーグルやアマゾンと比較ならないぐらいリッチなデータが埋もれているのです。

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