長島聡の「和ノベーションで行こう!」

東芝はプラットフォーマーとして生き残る 第24回 東芝 島田太郎・コーポレートデジタル事業責任者

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 日本型のイノベーション=「和ノベーション」を実現していくには何が必要か。ドイツ系戦略コンサルティングファーム、ローランド・ベルガーの長島聡社長が、圧倒的な熱量を持って未来に挑む担い手たちを紹介していくシリーズ。第24回は東芝でデジタル事業の拡大へ指揮を執る島田太郎コーポレートデジタル事業責任者です。

日本は「共通概念」が苦手

長島 島田さんとはドイツ企業の日本法人の仲間として良くお会いします。まず、ドイツ発のインダストリー4.0をどうお考えですか。

島田 まず「サピエンス全史」「ホモ・デウス」(ユヴァル・ノア・ハラリ著)から話させてください。ハラリ氏は今後、デジタル化するのは人間の運命であるとしています。人間が進化してきたスケールエフェクトの3つの重要な柱として、「処理能力」と「データ」、「共通概念」があります。共通概念とは神や文字、お金、デモクラシーなどです。

 処理能力というのは人口で、プロセッサーの処理できる数です。牧畜・農耕で急激に人口が増え、産業革命でさらに増加しました。ただ進化には、データがコネクトする必要があります。グーテンベルクの活版印刷で聖書がラテン語からドイツ語に翻訳したのが一気に広がって、これで共通概念がどんどん広がります。さらに電信機や電話、携帯電話でさらに広がります。処理と概念とデータで、人間はものすごい速度で進化してきたとハラリ氏は指摘しています。

 さて、イノベーション4.0は何かを考えた時、日本はAI(人工知能)やロボットという「処理」が得意で、IoT(モノのネット化)やソーシャルグラフといった「データ」はまあまあ、「共通概念」が最も不得意で、ドイツに決定的な差をつけらえてしまっていると私は思います。

長島 概念とは意志みたないものですか。

島田 コンセプトですね。標準といったほうがわかりやすいのかな。私はAIの時代には哲学が重要だと思っています。様々なデータが取れるようになった状況で、どういう風にアクセプトすべきか、といった問題が出てきました。これは哲学的な問題です。

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